国際興業グループ

ヤマハルーターによる内線VoIP 化でコスト削減と高品質/高信頼性を両立

北九州を本拠地に九州・下関地区でタクシー事業を中心とした多彩な事業を展開する国際興業グループ。ここでは、音声系、データ系(勘定系:伝票や売上などが電子化されたデータ)、情報系のすべてを1つのネットワークのもとに集約しようとしている。その第一歩として、フレッツ・グループを利用して、北九州地区の13拠点を結んだ内線VoIP化を実現。ネットワークの要となるルーターには、ヤマハルーターの製品群が採用され、NTTマーケティングアクト九州が構築。VoIP化によるコスト削減を達成した同グループでは、全地区のネットワーク化を視野に入れた動きを加速している。

フレッツ・グループ利用で音声・データ・情報系の統合を計画

創業以来、50年余の歴史を持つ国際興業グループ。同グループは、本拠地である北九州と福岡、佐賀、宮崎、下関の5地区で展開するタクシー事業25社を中心に、不動産、ビジネスホテル、自動車整備、バス、オートガススタンド、医療・介護、保険代理業などを展開する26社の企業で構成されている。同グループは「24時間いつでもどこでも快適に」をスローガンに保有台数1,000台のタクシー事業の活性化を図ると共に、急速に進む高齢化社会に対応した病院・介護などの新規事業にも参入するなど、住民の多様なニーズに応え、地域社会に貢献している。

これまで、同グループでは地区ごとに個別のネットワークを構築。売上げデータなども各地区の拠点企業に一度集約され、北九州のグループ本社に送られるようになっていた。

「データを本社に送る時に、各地区の集約先で人手による入力作業が再び入ることになり、非効率なだけでなく、入力ミスも起こるなど、コスト増の要因になっていました。そこで、音声系とデータ系(勘定系:伝票や売上などが電子化されたデータ)、そして情報系を1つのネットワークに集約して、コストの削減と業務効率の向上を実現したいと考えたのです」と国際興業グループ総務部の栗田久氏はネットワークの刷新を決断した背景を説明する。

数年前から、この構想を練っていた同グループが具体的にネットワークの構築に踏み出したのは2004年10月のこと。ネットワークの利用料も大幅に下がり、利用を想定していたNTT 西日本の地域IP網「フレッツ・グループ」のサービス拠点数が10カ所から20カ所へと拡充されたことがきっかけだった。「北九州地区は本社を含めて13カ所なので、フレッツ・グループの新しいメニューであれば、カバーすることが可能。そう判断し、すぐに実施することを決めました」と栗田氏は振り返る。

写真:国際興業グループ 総務部 栗田久氏
国際興業グループ

総務部
栗田 久 氏

ヤマハルーターを組み合わせ効果的なネットワークを構築

図:北九州地区におけるネットワーク構成図
本社にRTX1500を置き、フレッツ・グループを介して、データ通信及びRTV700とPBXをつないだVoIP内線電話を利用。またバックアップの ISDN回線用にはRT250iを、拠点にはRTX1100とRT57iを設置し、データ通信とVoIP内線電話に利用している。

今回のネットワークの刷新は、音声系とデータ系、さらには情報系と扱う領域が多岐に渡る。そこで栗田氏は、ネットワークの提供だけでなく、電話設備の更改や保守も行え、長年の取引実績があるNTT マーケティングアクト九州に構築を依頼した。今回の大きな目的は、各拠点間の電話をVoIPで内線化し、通信コストの削減を図ると共に、高い信頼性を持ったネットワークを実現すること。特にコストに関しては「ネットワークを安価で利用し、浮いた資金を他の戦略的な投資にも回したい」という狙いがあったという。

こうした要件をクリアするために、NTTマーケティングアクト九州では、センター側と拠点側両方に設置するすべてのルーターにヤマハ製品を選定した。「各ベンダーの製品の価格と機能を評価した結果、ヤマハ製品が価格的には安価でありながら、機能面で最も優れていると判断しました。今回は、安価なフレッツ・グループで専用線並みの信頼性を実現し、音声品質の確保も必須要件でした。また、情報系はセキュリティの関係もあって、各拠点からセンター経由でインターネットに接続するように設計されています。ヤマハの製品はVoIPとデータ通信を同時実現し、優れたQoS機能や自動バックアップ機能などを備え、これらの要件をすべて満たしていたのです」と株式会社NTT マーケティングアクト九州福岡ソリューション営業部SE担当主査坂本辰徳氏は語る。

また、ヤマハのルーターは同社が構築してきたIPsecVPNを中心とした企業ネットワークに多くの導入実績があり、ユーザー企業の評価が高いことも採用の1つの理由になったという。

「ヤマハの製品はラインアップが非常に充実しており、ネットワークのすべてをヤマハ製品の組み合わせで実現できることも大きなポイントでした。多数の拠点がある中で、違うベンダーの製品だと保守やトラブル対応などに手間取ることになりかねません」と株式会社NTTマーケティングアクト九州北九州ソリューション営業部SE担当主査片山健二氏は述べる。

写真:株式会社エヌ・ティ・ティマーケティングアクト九州 北九州ソリューション営業部 SE 担当主査 片山 健二 氏
株式会社
エヌ・ティ・ティマーケティングアクト九州

北九州ソリューション営業部
SE 担当主査

片山 健二 氏

写真:株式会社エヌ・ティ・ティマーケティングアクト九州 福岡ソリューション営業部 SE 担当主査 坂本 辰徳 氏
株式会社
エヌ・ティ・ティマーケティングアクト九州

福岡ソリューション営業部
SE 担当主査

坂本 辰徳 氏

内線VoIP化により通信費10~20%の削減が可能に

こうして、導入作業に入り、2005年3月には北九州地区の本社及び12拠点を結んだネットワークが実現、内線VoIP網が完成した。構築されたネットワークでは、本社にフレッツ・グループへ接続するイーサアクセスVPN ルーター「RTX1500」を置き、それにブロードバンドVoIPゲートウェイ「RTV700」とPBXをつなぐことで、ビジネスホンでVoIP内線電話が利用できるようになっている。一方、データ通信バックアップのISDN回線用にISDNバックアップルーター「RT250i」を設置。さらに各拠点には、イーサアクセスVPNルーター「RTX1100」とブロードバンドVoIPルーター「RT57i」を設置し、データ通信とVoIP内線電話を使用できる(図参照)。

北九州地区の内線VoIP網は、現在まで順調に稼働しており、社員も何の違和感もなく、今までのビジネスホンと同様に利用している。栗田氏は、「具体的な効果の測定は、すべてが稼働してから」と前置きしながらもVoIP内線電話の導入効果を、最低でも今までの通信費の10%、最大20%の削減が実現できると試算している。

さらに将来的には、北九州地区のネットワークの状況を見ながら、フレッツ・グループを利用して他地区でもグループを作り、北九州と結合させることで、音声系とデータ系、情報系の全社ネットワークを構築することも検討している。

「今後、他地区にも展開するとなると、拠点数が増えていきます。それに対応するために、より高度な電話番号管理が行える製品をラインアップの中に入れて欲しいですね」と片山氏はヤマハに対する期待を口にする。国際興業グループでは、今回の内線VoIP化の上に一層のコスト削減と業務効率の向上を実現し、地域社会の貢献する企業グループとしてのさらなる成長を図っていく考えだ。

本社側に設置された RTX1500、RTV700(写真下)と RT250i(写真上)

本社側に設置された RTX1500、RTV700(写真下)と RT250i(写真上)

導入会社様

国際興業グループ

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所在地
〒802-0083
福岡県北九州市小倉北区江南町5-29
URL  http://www.kokusai-g.jp/

事業内容
主力となるタクシー事業は北九州地区12社、中国地区1社、福岡地区3社、下関地区2社、宮崎地区3社、佐賀地区2社で展開。その他、バス事業、自動車整備業、オートガススタンド、ビル管理・駐車場・建設関連、ビジネスホテル、病院・介護事業を主に北九州地区で展開している。


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