無線LANアクセスポイント「WLXシリーズ」のローミング機能を強化

2025年1月29日に、無線LANアクセスポイント『WLX323』『WLX322』『WLX222』のファームウェア(Rev.25.01.03/Rev.25.00.03/Rev.24.00.08)を配布開始しました。

今回のファームウェアでは新たに「IEEE 802.11k/v/r」に対応、よりインテリジェントで高速なローミングを実現できるようになります。

■「IEEE 802.11k/v/r」とは

無線LANの標準規格のひとつです。

IEEE 802.11k:端末と無線AP間で無線の信号レベルをなどの周囲の無線環境の情報を共有します。
IEEE 802.11v:IEEE 802.11kで取得した情報をもとに、端末へ別の無線APへのローミングを提案します。
IEEE 802.11r:無線APへの再接続時に必要な暗号鍵の生成プロセスを省略化・簡略化にすることで、端末が別の無線APへ移動時に高速ローミングを実現します。

ヤマハの無線APでは、移動した際など電波強度が弱いにも関わらず、遠くの無線APに接続し続けてローミングしない無線端末(スティッキー端末)に対して、IEEE 802.11k/vを活用することでローミング環境を改善します。
ローミング先無線APの決定アルゴリズムに、IEEE 802.11kでスティッキー端末から収集した情報に加えて、クラスターAP内で共有された各無線APのチャンネル使用率や接続端末数を用いることで、近くの無線APにローミングさせるのではなく、1つのAPに負荷が集中しないようにローミング先の無線APを決定、これらの情報をIEEE 802.11vを使って端末側に提案します。これにより、スティッキー端末が多い環境下において、より安定したローミング環境を実現します。

また、IEEE 802.11rを用いることで、ローミング時の切断時間を抑える高速ローミングが実現できます。特に、介護施設や医療施設のナースコールのような通話システムの利用時に快適な環境を提供します。

技術資料

・ローミングアシスト機能 - IEEE 802.11k/v
https://www.rtpro.yamaha.co.jp/AP/docs/wlx323/11kv-roaming-assist.html

・高速ローミング - IEEE 802.11r
https://www.rtpro.yamaha.co.jp/AP/docs/wlx323/11r-fast-roaming.html

■「適応型ローミングアシスト機能」との違い

今回対応した無線LANの標準規格である「IEEE 802.11k/v」のほか、「IEEE 802.11k/v」非対応の端末でも快適なローミングができる、「適応型ローミングアシスト機能」(特許出願済み)にも対応しています。

「適応型ローミングアシスト機能」は、移動した際など電波強度が弱いにも関わらず、遠くの無線APに接続し続けてローミングしない無線端末(スティッキー端末)に対し、無線AP側から端末の接続を切断することで、最適な無線APへのローミングを促す機能です。電波強度などの環境情報をクラスター内の無線APに共有することで、ローミングを発生させるタイミングを学習し、設置環境に合わせて自動的に最適な無線設定へ調整します。

ローミングアシスト機能 高速ローミング機能

また、今回のファームウェアでは「Radio Optimization機能」や「RADIUSサーバー機能」、ファームウェア更新などに関する複数の機能改善を実施しています。

詳しくはリリースノートをご確認下さい。
・WLX222 Rev.24.00.08 リリースノート
https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/relnote/ap/Rev.24.00/relnote_24_00_08.html
・WLX322 Rev.25.00.03 リリースノート
https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/relnote/ap/Rev.25.00/relnote_25_00_03.html
・WLX323 Rev.25.01.03 リリースノート
https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/relnote/ap/Rev.25.01/relnote_25_01_03.html

※「IEEE 802.11k/v/r」については、『WLX413』にも今後のファームウェアで対応予定です。

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