インターネット接続回線の冗長化(フレキシブルLAN/WANポート)+ 経路の負荷を分散(マルチホーミング)

管理番号:YMHRT-25446 
(最終更新日: 2023/12/26)

本設定例では、フレキシブルLAN/WANポートとマルチホーミングを使用しています。
※ フレキシブルLAN/WANポート機能を利用しない場合は、インターネット接続回線の冗長化 + 経路の負荷を分散(マルチホーミング) をご参照ください。

フレキシブルLAN/WANポートの対応機種は、RTX1300です。

マルチホーミングの対応機種は、RTX5000RTX3510RTX3500RTX1300RTX1220RTX830NVR700WNVR510NVR500FWX120vRXです。

図 構成図

インターネット回線を 2本使用して、回線を冗長化する設定例です。

本設定例では、マルチホーミングを使用します。マルチホーミングを使用すると、以下のようなメリットがあります。
 ・複数の経路に負荷を分散 (通信速度の向上)
 ・回線がダウンした場合の経路の切り替え (可用性の向上)

マルチホーミングを実現するためのルーティングの設定は、以下のとおりです。
 ・ISP1 と ISP2 に、1:1 の割合で負荷を分散させる
 ・ISP1 の回線がダウンした場合、すべての通信を ISP2 に切り替える
 ・ISP2 の回線がダウンした場合、すべての通信を ISP1 に切り替える

また、フレキシブルLAN/WANポートを使用して、以下のようなポート構成にします。
 ・LAN1:ポート 3~10 (PC などを接続)
  ※ 10G 対応スイッチを使用する場合は、ポート 9 または ポート 10 の SFP+ ポートを使用してください。
 ・LAN2:ポート 1 (インターネット回線 (ISP1) に接続)
 ・LAN3:ポート 2 (インターネット回線 (ISP2) に接続)

技術情報:
フレキシブルLAN/WANポート
マルチホーミング

光回線に接続するためには、別途ONUが必要です。

本機能の対応機種のうち、設定例を掲載している機種は、以下のとおりです。

機種 掲載内容 備考
RTX1300 コマンド設定例  
Web GUI設定例  

ルーターの設定例

コマンド設定
ゲートウェイの設定 ip route default gateway pp 1 weight 1 hide gateway pp 2 weight 1 hide # 注釈1
フレキシブルLAN/WANポートの設定 lan flexible-port lan1=3-10 lan2=1 lan3=2
LANインターフェースの設定
(LAN1ポートを使用)
ip lan1 address 192.168.100.1/24
WANインターフェースの設定
(LAN2ポートを使用)
pp select 1
description pp provider1
pp keepalive interval 30 retry-interval=30 count=12
pp always-on on
pppoe use lan2
pppoe auto disconnect off
pp auth accept pap chap
pp auth myname (ISP1に接続するID) (ISP1に接続するパスワード)
ppp lcp mru on 1454
ppp ipcp ipaddress on
ppp ipcp msext on
ppp ccp type none
ip pp secure filter in 200003 200020 200021 200022 200023 200024 200025 200030 200032
ip pp secure filter out 200013 200020 200021 200022 200023 200024 200025 200026 200027 200099 dynamic 200080 200081 200082 200083 200084 200085 200098 200099
ip pp nat descriptor 1000
pp enable 1
WANインターフェースの設定
(LAN3ポートを使用)
pp select 2
description pp provider2
pp keepalive interval 30 retry-interval=30 count=12
pp always-on on
pppoe use lan3
pppoe auto disconnect off
pp auth accept pap chap
pp auth myname (ISP2に接続するID) (ISP2に接続するパスワード)
ppp lcp mru on 1454
ppp ipcp ipaddress on
ppp ipcp msext on
ppp ccp type none
ip pp secure filter in 201003 201020 201021 201022 201023 201024 201025 201030 201032
ip pp secure filter out 201013 201020 201021 201022 201023 201024 201025 201026 201027 201099 dynamic 201080 201081 201082 201083 201084 201085 201098 201099
ip pp nat descriptor 1100
pp enable 2
フィルターの設定 ip filter 200003 reject 192.168.100.0/24 * * * *
ip filter 200013 reject * 192.168.100.0/24 * * *
ip filter 200020 reject * * udp,tcp 135 *
ip filter 200021 reject * * udp,tcp * 135
ip filter 200022 reject * * udp,tcp netbios_ns-netbios_ssn *
ip filter 200023 reject * * udp,tcp * netbios_ns-netbios_ssn
ip filter 200024 reject * * udp,tcp 445 *
ip filter 200025 reject * * udp,tcp * 445
ip filter 200026 restrict * * tcpfin * www,21,nntp
ip filter 200027 restrict * * tcprst * www,21,nntp
ip filter 200030 pass * 192.168.100.0/24 icmp * *
ip filter 200032 pass * 192.168.100.0/24 tcp * ident
ip filter 200099 pass * * * * *
ip filter 201003 reject 192.168.100.0/24 * * * *
ip filter 201013 reject * 192.168.100.0/24 * * *
ip filter 201020 reject * * udp,tcp 135 *
ip filter 201021 reject * * udp,tcp * 135
ip filter 201022 reject * * udp,tcp netbios_ns-netbios_ssn *
ip filter 201023 reject * * udp,tcp * netbios_ns-netbios_ssn
ip filter 201024 reject * * udp,tcp 445 *
ip filter 201025 reject * * udp,tcp * 445
ip filter 201026 restrict * * tcpfin * www,21,nntp
ip filter 201027 restrict * * tcprst * www,21,nntp
ip filter 201030 pass * 192.168.100.0/24 icmp * *
ip filter 201032 pass * 192.168.100.0/24 tcp * ident
ip filter 201099 pass * * * * *
ip filter dynamic 200080 * * ftp
ip filter dynamic 200081 * * domain
ip filter dynamic 200082 * * www
ip filter dynamic 200083 * * smtp
ip filter dynamic 200084 * * pop3
ip filter dynamic 200085 * * submission
ip filter dynamic 200098 * * tcp
ip filter dynamic 200099 * * udp
ip filter dynamic 201080 * * ftp
ip filter dynamic 201081 * * domain
ip filter dynamic 201082 * * www
ip filter dynamic 201083 * * smtp
ip filter dynamic 201084 * * pop3
ip filter dynamic 201085 * * submission
ip filter dynamic 201098 * * tcp
ip filter dynamic 201099 * * udp
NATの設定 nat descriptor type 1000 masquerade
nat descriptor type 1100 masquerade
DHCPの設定 dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.100.2-192.168.100.191/24
DNSの設定 dns host lan1
dns server pp 1
dns server select 500001 pp 1 any . restrict pp 1
dns server select 500002 pp 2 any . restrict pp 2
dns private address spoof on

[注釈の説明]

注釈1
以下のように、ルーティングの設定をしています。
 ・ISP1 と ISP2 に、1:1 の割合で負荷を分散させる
 ・ISP1 の回線がダウンした場合、すべての通信が ISP2 に切り替わる
 ・ISP2 の回線がダウンした場合、すべての通信が ISP1 に切り替わる

Web GUI設定

設定の概要

以下の手順で設定を行います。

フレキシブル LAN / WAN ポートの設定

1. Web GUI を開きます。
(1) パソコンをルーターと同じネットワークに接続し、Web ブラウザーを起動します。
(2) アドレスバーに「http://192.168.100.1/」と入力し、Enter キーを押します。
(3) パスワード入力画面で、ユーザー名/パスワード ともに「admin」と入力し、「ログイン」をクリックします。

図 説明画像

2. パスワードを設定して、「保存」をクリックします。

新しいパスワード 設定する管理パスワード
※パスワードを入力すると、パスワード強度が表示されます。
新しいパスワード (確認) 設定する管理パスワード
図 説明画像

3. 管理パスワードが設定されました。
  ユーザー名「admin」と管理パスワード (手順 2. で設定したパスワード) を入力して、「ログイン」をクリックします。

図 説明画像

4. ルーターの Web GUI が表示されます。「詳細設定」をクリックします。

図 説明画像

5.「LAN」をクリックします。

図 説明画像

6.「フレキシブル LAN / WAN ポート」をクリックします。

図 説明画像

7.「設定」をクリックします。

図 説明画像

8. フレキシブル LAN / WAN ポートの設定をして、「確認」をクリックします。

ポート1 ポート3 ポート5 ポート7 ポート9
LAN2 LAN1
(変更なし)
LAN1
(変更なし)
LAN1
(変更なし)
LAN1
ポート2 ポート4 ポート6 ポート8 ポート10
LAN3 LAN1
(変更なし)
LAN1
(変更なし)
LAN1
(変更なし)
LAN1
図 説明画像

9. 入力内容を確認して、問題がなければ「設定の確定」をクリックします。

図 説明画像

10.「再起動」をクリックします。

図 説明画像

11. 再起動が完了 (Powerインジケーターが緑色点灯) 後、「トップへ戻る」をクリックします。

図 説明画像

12. ユーザー名「admin」と管理パスワード (手順 2. で設定したパスワード) を入力して、「ログイン」をクリックします。

図 説明画像

インターネット接続設定

1. ルーターの Web GUI が表示されます。「かんたん設定」をクリックします。

図 説明画像

2.「プロバイダー接続」をクリックします。

図 説明画像

3.「新規」をクリックします。

図 説明画像

4.「LAN2」が選択されていることを確認して、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

5. ブロードバンド回線自動判別の表示を確認して、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

6.「PPPoE接続」が選択されていることを確認して、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

7. プロバイダーへの接続情報を入力して、「次へ」をクリックします。

設定名 任意の設定名
ユーザーID プロバイダーから指定された接続用の ID
接続パスワード プロバイダーから指定された接続用のパスワード
(または自分で変更したパスワード)
PPインターフェースのIPアドレス 自動取得する
図 説明画像

8. プロバイダーとの契約内容にしたがい、DNS サーバーアドレスの設定をして、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

9. フィルターの設定をして、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

10. 設定内容を確認して問題がなければ、「設定の確定」をクリックします。

図 説明画像

11. LAN2 のインターネット接続設定が完了しました。
  続けて、LAN3 のインターネット接続設定をします。「新規」をクリックします。

図 説明画像

12.「LAN3」を選択して、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

13. ブロードバンド回線自動判別の表示を確認して、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

14.「PPPoE接続」が選択されていることを確認して、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

15. プロバイダー情報の設定をして、「次へ」をクリックします。

設定名 任意の設定名
ユーザーID プロバイダーから指定された接続用の ID
接続パスワード プロバイダーから指定された接続用のパスワード
(または自分で変更したパスワード)
PPインターフェースのIPアドレス 自動取得する
図 説明画像

16. プロバイダーとの契約内容にしたがい、DNS サーバーアドレスの設定をして、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

17. フィルターの設定をして、「次へ」をクリックします。

図 説明画像

18. 設定内容を確認して問題がなければ、「設定の確定」をクリックします。

図 説明画像

19. LAN3 のインターネット接続設定が完了しました。
  ※自動でインターネットに接続されない場合は、「接続する」ボタンをクリックして手動で接続してください。

図 説明画像

ルーティングの設定

1.「詳細設定」をクリックします。

図 説明画像

2.「ルーティング」をクリックします。

図 説明画像

3.「静的ルーティングの一覧」の「設定」をクリックします。

図 説明画像

4.「ゲートウェイ1」の「オプションの設定」を開きます。

図 説明画像

5. ゲートウェイ1 の設定をします。

ゲートウェイを有効とみなす基準 出力インターフェースがアップしているときのみ有効
ゲートウェイを選択する基準 負荷分散 重み: 1
図 説明画像

6.「ゲートウェイ2」の「オプションの設定」を開きます。

図 説明画像

7. ゲートウェイ2 の設定をして、「確認」をクリックします。

ゲートウェイを有効とみなす基準 出力インターフェースがアップしているときのみ有効
ゲートウェイを選択する基準 負荷分散 重み: 1
図 説明画像

8. 入力内容を確認して、問題がなければ「設定の確定」をクリックします。

図 説明画像

9. ルーティングの設定が完了しました。以上で設定は完了です。

図 説明画像

設定の確認

[ダッシュボード] - [ガジェット]で以下を選択すると、フレキシブル LAN / WAN で設定した物理ポートの構成が確認できます。

  • インターフェース情報
    ※初期状態で表示されています。
図 説明画像

[ダッシュボード] - [ガジェット]で以下を選択すると、プロバイダーとの接続状態が確認できます。

  • プロバイダー接続状態
図 説明画像

【ご注意】
本設定例は、設定の参考例を示したもので、動作を保証するものではございません。
ご利用いただく際には、十分に評価・検証を実施してください。

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