電話帳サーバーで内線VoIPネットワークの電話番号を一括管理 : YSL-V810 Web GUI設定 + ルーター コマンド設定

管理番号:YMHRT-14645 
(最終更新日: 2023/7/12)

本設定例では、IPIPトンネル機能と内線VoIP機能を使用しています。

IPIPトンネル機能の対応機種は、RTX5000RTX3510RTX3500RTX1300RTX1220RTX1210RTX830RTX810NVR700WNVR510NVR500FWX120です。

内線VoIP機能の対応機種は、NVR700WNVR510NVR500です。

電話帳サーバーの対応機種は、YSL-V810です。

図 構成図

内線VoIPネットワークの電話番号を、電話帳サーバー「YSL-V810」で一括管理する設定例です。

フレッツ・VPNワイドの端末払い出しサービスを利用して、拠点間を接続する構成です。
拠点間の通信および内線VoIPは、拠点間のIPIPトンネルを通します。

本設定例は、以下の構成で説明します。

  • センター ルーター
    - フレッツ・VPNワイドから、割り当てられる固定IPアドレス:172.16.0.1
  • センター VoIPルーター
    - 2台のVoIPルーターをカスケード接続
    - 事業所番号:200
    - アナログ親機の内線番号:1001、1002
    - アナログ子機の内線番号:2001、2002
    - プレフィックス:なし
    - 事業所番号だけでも発信できるように、即時発信を「なし」に設定
    - 事業所番号だけの着信は、すべてのTELポートを鳴動
  • 拠点1 ルーター
    - フレッツ・VPNワイドから、割り当てられる固定IPアドレス:172.16.0.2
    - 事業所番号:201
    - 内線番号:100、200
    - プレフィックス:8
    - 事業所番号だけでも発信できるように、即時発信を「なし」に設定
    - 事業所番号だけの着信は、両方のTELポートを鳴動
  • 拠点2 ルーター
    - フレッツ・VPNワイドから、割り当てられる固定IPアドレス:172.16.0.3
    - 事業所番号:202
    - 内線番号:なし
    - プレフィックス:なし
    - 事業所番号だけでも発信できるように、即時発信を「なし」に設定
    - 着信は、空いているTELポートに順次鳴動

光回線に接続するためには、別途ONUが必要です。
NVR700WとNVR510は、本体のONUポートに小型ONUを装着することで、光回線に接続できます。

本機能の対応機種のうち、設定例を掲載している機種は、以下のとおりです。

機種 掲載内容 備考
センター
  電話帳サーバー
YSL-V810 Web GUI設定例
センター
  ルーター
RTX5000 RTX3510 RTX3500 RTX1300 RTX1220 RTX1210 RTX830 RTX810 NVR700W NVR510 NVR500 コマンド設定例
センター
  VoIPルーター(1)
NVR700W NVR510 NVR500 コマンド設定例 アナログ親機
センター
  VoIPルーター(2)
NVR700W NVR510 NVR500 コマンド設定例 アナログ子機
拠点1
  ルーター
NVR700W NVR510 NVR500 コマンド設定例
拠点2
  ルーター
NVR700W NVR510 NVR500 コマンド設定例

センター 電話帳サーバー

設定の概要

以下の手順で設定を行います。

  • IP設定:電話帳サーバーのネットワークの設定をします。
  • 基本設定:電話帳サーバーのSIPドメインの設定をします。
  • 拠点設定:電話帳サーバーに登録したい拠点の情報を設定します。

IP設定

1.設定画面を開きます。
  (1) YSL-V810の電源が入っていることを確認します。
  (2) YSL-V810のSETUPポート(WANポート)にパソコンを接続します。Webブラウザーを起動し、「ファイル」メニューから「開く」を選びます。
  (3) インターネットアドレスに「http://10.0.0.1/」と半角英字で入力し、「OK」をクリックします。
  (4) パスワード入力画面が現れたら、ユーザー名に「administrator」と入力し、パスワードは空欄のまま「OK」をクリックします。

図 説明画像

2.「IP設定」をクリックします。

図 説明画像

3.「LANポートの設定」の「変更」をクリックします。

図 説明画像

4.「IPv4アドレス」を設定して、「適用」をクリックします。

IPv4アドレス 指定する
192.168.100.200/24
図 説明画像

5.「メイン画面に戻る」をクリックします。

図 説明画像

6.「デフォルト経路の設定」の「変更」をクリックします。

図 説明画像

7.「IPv4アドレス」を設定して、「適用」をクリックします。

IPv4アドレス 指定する
192.168.100.1
図 説明画像

8.「メイン画面に戻る」をクリックします。

図 説明画像

9.「DNSサーバーの設定」の「追加」をクリックします。

図 説明画像

10.「IPアドレス」を設定して、「適用」をクリックします。

IPアドレス 192.168.100.1
図 説明画像

11.「メイン画面に戻る」をクリックします。

図 説明画像

12.「IPキープアライブの設定」の「追加」をクリックします。

図 説明画像

13.「送出先IPアドレス」を設定して、「適用」をクリックします。

送出先IPアドレス 192.168.100.1
図 説明画像

14.「メイン画面に戻る」をクリックします。

図 説明画像

基本設定

1.「基本設定」をクリックします。

図 説明画像

2.「SIPドメインの設定」の「変更」をクリックします。

図 説明画像

3.「ドメイン名」を設定して、「適用」をクリックします。

ドメイン名 指定する
v810.net
図 説明画像

4.「メイン画面に戻る」をクリックします。

図 説明画像

拠点設定

1.「拠点設定」をクリックします。

図 説明画像

2.「拠点の設定」の「追加」をクリックします。

図 説明画像

3.「拠点の設定」にセンターの情報を設定して、「適用」をクリックします。

事業所番号 1つの番号を指定する
事業所番号 >
     1つの番号を指定する
200 (センターの事業所番号)
名称 center
認証タイプ ダイジェスト認証
認証タイプ > パスワード パスワード1
※センター VoIPルーター(1) で使用します。
図 説明画像

4.「さらに拠点を追加する」をクリックします。

図 説明画像

5.「拠点の設定」に拠点1の情報を設定して、「適用」をクリックします。

事業所番号 1つの番号を指定する
事業所番号 >
     1つの番号を指定する
201 (拠点1の事業所番号)
名称 kyoten_1
認証タイプ ダイジェスト認証
認証タイプ > パスワード パスワード2
※拠点1 ルーター で使用します。
図 説明画像

6.「さらに拠点を追加する」をクリックします。

図 説明画像

7.「拠点の設定」に拠点2の情報を設定して、「適用」をクリックします。

事業所番号 1つの番号を指定する
事業所番号 >
     1つの番号を指定する
202 (拠点2の事業所番号)
名称 kyoten_2
認証タイプ ダイジェスト認証
認証タイプ > パスワード パスワード3
※拠点2 ルーター で使用します。
図 説明画像

8.「メイン画面に戻る」をクリックします。

図 説明画像

9.電話帳サーバーの設定が完了しました。

図 説明画像

センター ルーターの設定例

ゲートウェイの設定 ip route (172.16.0.0/24) gateway pp 1
ip route 192.168.101.0/24 gateway tunnel 1
ip route 192.168.102.0/24 gateway tunnel 2
LANインターフェースの設定
(LAN1ポートを使用)
ip lan1 address 192.168.100.1/24
WANインターフェースの設定
(LAN2ポートを使用)
pp select 1
pp always-on on
pppoe use lan2
pppoe auto disconnect off
pp auth accept pap chap
pp auth myname (フレッツ・VPNワイドに接続するID) (フレッツ・VPNワイドに接続するパスワード)
ppp lcp mru on 1454
ip pp address (172.16.0.1/32)
ip pp secure filter in 2001 2002 3000
ip pp secure filter out 1001 1002 3000
pp enable 1
拠点1に対する
IPIPトンネルの設定
tunnel select 1
tunnel encapsulation ipip
tunnel endpoint address (172.16.0.1) (172.16.0.2)
ip tunnel tcp mss limit auto
tunnel enable 1
拠点2に対する
IPIPトンネルの設定
tunnel select 2
tunnel encapsulation ipip
tunnel endpoint address (172.16.0.1) (172.16.0.3)
ip tunnel tcp mss limit auto
tunnel enable 2
フィルターの設定 ip filter 1001 pass (172.16.0.1) (172.16.0.2) * * *
ip filter 1002 pass (172.16.0.1) (172.16.0.3) * * *
ip filter 2001 pass (172.16.0.2) (172.16.0.1) * * *
ip filter 2002 pass (172.16.0.3) (172.16.0.1) * * *
ip filter 3000 reject * * * * *
DHCPの設定 dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.100.10-192.168.100.191/24

センター VoIPルーター(1)の設定例

ゲートウェイの設定 ip route default gateway 192.168.100.1
LANインターフェースの設定
(LAN1ポートを使用)
ip lan1 address 192.168.100.2/24
TELポート 発信設定 analog rapid call 1 off # 注釈1
analog rapid call 2 off # 注釈1
analog extension dial prefix port=1 sip server=1 # 注釈2
analog extension dial prefix port=2 sip server=1 # 注釈2
TELポート 着信設定 analog sip arrive permit 1 myname
analog sip arrive myaddress 1 1 sip:1001 # 注釈3
analog sip arrive myaddress 1 2 sip:v810 # 注釈4
analog sip arrive permit 2 myname
analog sip arrive myaddress 2 1 sip:1002 # 注釈3
analog sip arrive myaddress 2 2 sip:v810 # 注釈4
カスケード接続モードの設定 analog extension mode manager
VoIPの設定 sip use on
sip server 1 192.168.100.200 register udp sip:200@v810.net 200 (電話帳サーバーで設定したパスワード1) # 注釈6
sip server session timer 1 300
sip server display name 1 200

センター VoIPルーター(2)の設定例

LANインターフェースの設定
(LAN1ポートを使用)
ip lan1 address 192.168.100.3/24
TELポート 発信設定 analog rapid call 1 off # 注釈1
analog rapid call 2 off # 注釈1
analog extension dial prefix port=1 sip server=1 # 注釈2
analog extension dial prefix port=2 sip server=1 # 注釈2
TELポート 着信設定 analog sip arrive permit 1 myname
analog sip arrive myaddress 1 1 sip:2001 # 注釈3
analog sip arrive myaddress 1 2 sip:v810 # 注釈4
analog sip arrive permit 2 myname
analog sip arrive myaddress 2 1 sip:2002 # 注釈3
analog sip arrive myaddress 2 2 sip:v810 # 注釈4
カスケード接続モードの設定 analog extension mode agent

拠点1 ルーターの設定例

ゲートウェイの設定 ip route default gateway tunnel 1
ip route (172.16.0.1) gateway pp 1
LANインターフェースの設定
(LAN1ポートを使用)
ip lan1 address 192.168.101.1/24
WANインターフェースの設定
(LAN2ポートを使用)
pp select 1
pp always-on on
pppoe use lan2
pppoe auto disconnect off
pp auth accept pap chap
pp auth myname (フレッツ・VPNワイドに接続するID) (フレッツ・VPNワイドに接続するパスワード)
ppp lcp mru on 1454
ip pp address (172.16.0.2/32)
ip pp secure filter in 1 3
ip pp secure filter out 2 3
pp enable 1
IPIPトンネルの設定 tunnel select 1
tunnel encapsulation ipip
tunnel endpoint address (172.16.0.2) (172.16.0.1)
ip tunnel tcp mss limit auto
tunnel enable 1
フィルターの設定 ip filter 1 pass (172.16.0.1) * * * *
ip filter 2 pass * (172.16.0.1) * * *
ip filter 3 reject * * * * *
DHCPの設定 dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.101.2-192.168.101.191/24
TELポート 発信設定 analog rapid call 1 off # 注釈1
analog rapid call 2 off # 注釈1
analog extension dial prefix port=1 sip server=1 prefix="8" # 注釈2
analog extension dial prefix port=2 sip server=1 prefix="8" # 注釈2
TELポート 着信設定 analog sip arrive permit 1 myname
analog sip arrive myaddress 1 1 sip:100 # 注釈3
analog sip arrive myaddress 1 2 sip:v810 # 注釈4
analog sip arrive permit 2 myname
analog sip arrive myaddress 2 1 sip:200 # 注釈3
analog sip arrive myaddress 2 2 sip:v810 # 注釈4
VoIPの設定 sip use on
sip server 1 192.168.100.200 register udp sip:201@v810.net 201 (電話帳サーバーで設定したパスワード2) # 注釈6
sip server session timer 1 300
sip server display name 1 201

拠点2 ルーターの設定例

ゲートウェイの設定 ip route default gateway tunnel 1
ip route (172.16.0.1) gateway pp 1
LANインターフェースの設定
(LAN1ポートを使用)
ip lan1 address 192.168.102.1/24
WANインターフェースの設定
(LAN2ポートを使用)
pp select 1
pp always-on on
pppoe use lan2
pppoe auto disconnect off
pp auth accept pap chap
pp auth myname (フレッツ・VPNワイドに接続するID) (フレッツ・VPNワイドに接続するパスワード)
ppp lcp mru on 1454
ip pp address (172.16.0.3/32)
ip pp secure filter in 1 3
ip pp secure filter out 2 3
pp enable 1
IPIPトンネルの設定 tunnel select 1
tunnel encapsulation ipip
tunnel endpoint address (172.16.0.3) (172.16.0.1)
ip tunnel tcp mss limit auto
tunnel enable 1
フィルターの設定 ip filter 1 pass (172.16.0.1) * * * *
ip filter 2 pass * (172.16.0.1) * * *
ip filter 3 reject * * * * *
DHCPの設定 dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.102.2-192.168.102.191/24
TELポート 発信設定 analog rapid call 1 off # 注釈1
analog rapid call 2 off # 注釈1
analog extension dial prefix port=1 sip server=1 # 注釈2
analog extension dial prefix port=2 sip server=1 # 注釈2
TELポート 着信設定 analog extension incoming ringer one-by-one # 注釈5
VoIPの設定 sip use on
sip server 1 192.168.100.200 register udp sip:202@v810.net 202 (電話帳サーバーで設定したパスワード3) # 注釈6
sip server session timer 1 300
sip server display name 1 202

[注釈の説明]

注釈1:
事業所番号だけでも発信できるように、即時発信を「なし」に設定しています。

注釈2:
YSL-V810を経由したVoIP発信時のプレフィックスの設定です。
センターと拠点2は「プレフィックスなし」、拠点1は「プレフィックス"8"」に設定しています。

注釈3:
TELポートに対する内線番号の設定です。

注釈4:
事業所番号だけの着信時、TELポートを鳴動させる設定です。

注釈5:
着信時、空いているTELポートから順次鳴動させる設定です。

注釈6:
SIPサーバーに、YSL-V810の情報を登録します。

通話履歴の確認

・電話帳サーバーの[通話履歴]で、通話履歴が確認できます。

図 説明画像

接続状態の確認

本設定例では、センターで確認しています。拠点1, 拠点2 も同じコマンドで確認できます。
・「show status pp 1」コマンドで、インターネットの接続状態を確認できます。

[コンソール]
# show status pp 1
PP[01]:
説明:
PPPoEセッションは接続されています ★
接続相手: BAS
通信時間: 2分15秒
受信: 19 パケット [1144 オクテット]  負荷: 0.0%
送信: 17 パケット [712 オクテット]  負荷: 0.0%
PPPオプション
    LCP Local: Magic-Number MRU, Remote: CHAP Magic-Number MRU
    IPCP Local:, Remote: IP-Address
    PP IP Address Local: 172.16.0.1, Remote: (xxx.xxx.xxx.xxx)
    CCP: None
[解説]
相手先との接続状態が表示されます。xxxの部分は、IPアドレスが表示されます。

コマンドの詳細は、"各相手先の状態の表示" をご覧ください。
RTX5000, RTX3510, RTX3500, RTX1300, RTX1220, RTX1210, RTX830, RTX810 NVR700W, NVR510 NVR500

・「show status tunnel」コマンドで、トンネルインターフェースの接続状態を確認できます。

[コンソール]
# show status tunnel 1
TUNNEL[1]:
説明:
  インタフェースの種類: IP over IP
  トンネルインタフェースは接続されています ★
  開始: 2017/07/19 14:28:43
  通信時間: 20時間21分23秒
  受信: (IPv4) 10 パケット [920 オクテット]
        (IPv6) 0 パケット [0 オクテット]
  送信: (IPv4) 10 パケット [920 オクテット]
        (IPv6) 0 パケット [0 オクテット]

# show status tunnel 2
TUNNEL[2]:
説明:
  インタフェースの種類: IP over IP
  トンネルインタフェースは接続されています ★
  開始: 2017/07/19 13:47:10
  通信時間: 21時間53分39秒
  受信: (IPv4) 7 パケット [644 オクテット]
        (IPv6) 0 パケット [0 オクテット]
  送信: (IPv4) 7 パケット [644 オクテット]
        (IPv6) 0 パケット [0 オクテット]
[解説]
拠点1, 拠点2とのVPN接続状態が表示されます。

コマンドの詳細は、"トンネルインタフェースの状態の表示" をご覧ください。
RTX5000, RTX3510, RTX3500, RTX1300, RTX1220, RTX1210, RTX830, RTX810 NVR700W, NVR510 NVR500

・「show status sip server」コマンドで、SIPサーバーとの接続状態を確認できます。

[コンソール]
# show status sip server 1
No.     状態            切断コード      sipAddress
1       通信中                          sip:200@v810.net

[解説]
SIPサーバーとの接続状態が表示されます。

コマンドの詳細は、"SIP サーバーとの接続状態の表示" をご覧ください。
NVR700W, NVR510 NVR500

【ご注意】
本設定例は、設定の参考例を示したもので、動作を保証するものではございません。
ご利用いただく際には、十分に評価・検証を実施してください。

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