IP電話の音が途切れる : WLX302
管理番号:YMHAP-4397
このトラブルシューティングは、以下の機種に対応しています。
対応機種: WLX302
インデックス
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症状
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切り分け手順
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トラブル対処方法
症状:IP電話の音が途切れる
本内容は、無線LAN環境にてIP電話を使用する際に通話の音が途切れる場合の対処方法を提供します。
どこが問題なのかを把握し、該当箇所の説明をお読み頂くことで、問題解決への近道となります。
ご使用の端末の設定方法については、取扱説明書などを確認してください。
切り分け手順:見える化ツールを確認し、問題の切り分け作業を行います。
1-1 から順に確認してください。
1-1
見える化の動作モードは「低」になっていますか?
WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > レポート > レポートTOP

WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > レポート > レポートTOP > 動作モード設定

NOの場合は
- 動作モードが「高」の場合2秒に1回200msec、「中」の場合は10秒に1回100msec無線通信が途切れることが原因です。
こちらをご覧ください。
1-2
見える化ツールの端末一覧表示にて、ご使用の端末の信号強度、再送率、無線断回数を確認します。
信号強度が赤、濃赤であり、再送率が赤、濃赤であり、無線断回数が赤、濃赤であるならば「NG」に進んでください。
WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > 端末情報 > 端末一覧表示

NGの場合は
- 端末とWLX302間の電波状態が悪いことが考えられます。
こちらをご覧ください。
1-3
見える化ツールの端末一覧表示にて、ご使用の端末の信号強度、再送率、無線断回数を確認します。
信号強度が青、緑、黄色であり、再送率が赤、濃赤であり、無線断回数が赤、濃赤であるならば「NG」に進んでください。
WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > 問題点リスト

1-4
見える化ツールの端末一覧表示にて、ご使用の端末の信号強度、再送率、無線断回数を確認します。
信号強度が青、緑、黄色であり、再送率が青、緑、黄色であり、無線断回数が赤、濃赤であるならば「NG」に進んでください。
WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > 問題点リスト

NGの場合は
- 頻繁に発生するローミングが原因と考えられます。
こちらをご覧ください。
1-5
見える化ツールのスナップショットに以下のログがあれば「NG」に進んでください。
「使用しているチャンネルのCRCエラーが40%以上になりました」 または
「使用しているチャンネルのCRCエラーが40%を超えています」
WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > 問題点リスト

NGの場合は
- 端末とWLX302間の電波状態が悪いことが考えられます。
こちらをご覧ください。
OKの場合は
- その他の要因として以下のものが考えられます。対処方法はこちらを試してください。
- 通信速度の遅い端末の影響を受けている
- 端末の仕様の問題
- 端末の性能または設定の問題
1-6
見える化ツールのスナップショットに以下のログがあれば「NG」に進み、該当する番号の対処方法を試してください。
1.「チャンネル使用率が40%以上になりました」 または 「チャンネル使用率が40%を超えています」
2.「同時通信端末数がXX台を超えました」
WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > 問題点リスト

NGの場合は
- 1. WLX302が使用中のチャンネルと同じチャンネルを
使用する他のAPの通信に影響を受けています。
こちらをご覧ください。
- 2. 端末の同時通信による帯域分割が発生しています。
こちらをご覧ください。
OKの場合は
- その他の要因として以下のものが考えられます。対処方法はこちらを試してください。
- 通信速度の遅い端末の影響を受けている
- 端末の仕様の問題
- 端末の性能または設定の問題
トラブル対処方法
この項目では切り分け手順の各設問の対処方法を紹介します。
2-1 動作モード設定を変更する
2-2 無線環境を改善する
2-3 ローミングが頻発しているときの対処方法
2-4 他のAPの通信が影響しているときの対処方法
2-5 帯域分割の対処方法
2-6 その他の対処方法
◆2-1 動作モード設定を変更する
動作モードが「高」の場合2秒に1回200msec、「中」の場合は10秒に1回100msec無線通信が途切れることがあります。WLX302の動作モード設定を「低」にすると改善することがあります。
WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > レポート > レポートTOP > 動作モード設定

◆2-2 無線環境を改善する
◇端末またはWLX302を移動する
WLX302の上面方向に最大300m、側面方向に約200mの範囲で通信は可能ですが、周辺に電波を遮断するコンクリートの壁や柱などの遮蔽物、電波干渉が生じる恐れのある機器があると通信が不安定となることがあります。端末とWLX302の距離を近づけたり、端末の向きを変えたりすることで伝送速度が改善されるのであれば、WLX302の配置を検討する必要があります。
◇WLX302を増設する
WLX302と端末の距離が遠いことや遮蔽物によって電波が届きにくい問題は、接続したい端末の周辺にもう一台WLX302を設置することで改善できます。
WLX302の増設に伴い、各WLX302に同名のSSID、セキュリティー設定を行うことでローミング機能をご使用いただけます。端末が移動することで、ひとつのWLX302との通信が途絶えても、他のWLX302と通信が可能であれば再設定することなく無線LANをご使用いただけます。こちらの設定例でローミング機能を設定しています。

◇端末の送信パワー設定を確認する
信号強度が赤・濃赤となる原因として、端末の送信パワーが弱いことが挙げられます。このとき、端末とWLX302の無線接続が確立していても、通信エラーが頻発してしまい、ユーザーからは接続できていないように見えることがあります。ご使用の端末の取扱説明書などを参照いただき、送信パワーを調整する設定項目があれば、送信パワーを上げてください。
◇端末の通信性能を確認する
通信速度は端末の通信性能に依存します。端末詳細表示画面には、過去の通信で記録したスループットの最大値が表示されていますので、他の端末と比較してください。
WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > 端末情報 > 端末一覧表示 > 各端末の「詳細」

◆2-3 ローミングが頻発しているときの対処方法
◇端末のローミング設定を変更する
端末とWLX302は接続できていますが、接続するアクセスポイントが頻繁に切り替わり通信が不安定になることがあります。接続するアクセスポイントを切り替えるタイミングは無線クライアントに依存し、アクセスポイントでは制御できません。ご使用端末のローミングの積極性を変更可能であれば、取扱説明書などを参照いただき、ローミングの積極性を低く設定してください。
◆2-4 他のAPの通信が影響しているときの対処方法
◇チャンネルを変更する
同一チャンネルを使用しているアクセスポイントが存在する場合は、そのアクセスポイントの通信によりチャンネル使用率が高くなっている場合があります。他のチャンネルに変更することで改善する可能性があります。
以下の設定画面で、チャンネルの設定を行うことができます。
※初期設定の「自動」は、起動時、もしくは設定変更時に他の無線LANアクセスポイントとの電波干渉が少ないと考えられるチャンネルを自動的に選択する設定です。通常は「自動」を選択していただき、特定のチャンネルを選択したいときにチャンネルを変更してください。
1.WLX302 Web設定画面 TOPページ > 無線設定 > 2.4GHz 基本

2.WLX302 Web設定画面 TOPページ > 無線設定 > 5GHz 基本

◆2-5 帯域分割の対処方法
◇WLX302を増設する
端末を1台しかつないでいない時でもスループットが出ていないか確認してください。端末1台のときにスループットが問題なければWLX302に負荷が集中しています。接続する端末を分散するためにWLX302を増設してください。
◆2-6 その他の対処方法
◇通信速度の遅い端末の影響を受けている
見える化ツール > 端末一覧 の信号強度や伝送速度が赤色または濃赤色で表示されている端末を、別のWLX302に接続すると改善することがあります。MACアドレスフィルタリングを使用すると、端末ごとに接続するWLX302を制限できます。
こちらの設定例を参考にしてMACアドレスフィルタリングをご使用いただけます。
◇端末の仕様の問題
通信が遅い端末がTKIPのみ対応の場合、IEEE802.11nの設定でも最大伝送速度が54Mbpsになってしまいます。このように端末の対応状況や仕様によっては、通信が想定より遅くなることがあります。端末の取扱説明書をお読みいただきご確認ください。
◇端末の性能または設定の問題
端末の性能または設定の問題により、通信が遅いことがあります。
- 見える化ツールの端末一覧から対象端末を詳細表示し、最大スループットを確認します
WLX302 Web設定画面 TOPページ > 見える化ツール > 端末情報 > 端末一覧表示 > 各端末の「詳細」
- WLX302に対象の端末を1台だけ接続した状態でスループット(単位時間当たりの転送量)を測定します
※スループットの測定には、一般の測定ツールを使用してください。
また使用方法については、ご使用の測定ツールのマニュアルなどをご覧ください。
- 端末の無線LANドライバーの設定を確認します
一例として、以下のような設定になっている場合、期待するスループットが出ないことがあります。
- 40MHzチャネル幅非互換が有効になっている
- 2.4GHz用802.11nチャネル幅、もしくは5GHz用802.11nチャネル幅が20MHzに設定されている
それでも問題が解決しない場合は、
サポート窓口までご相談ください。
その際、ご使用のOSの製品名とバージョン、無線カードとそのドライバーのバージョンをご確認の上、ご連絡ください。