株式会社やまや

低価格IP-VPNサービスとヤマハルーターを積極活用して
IT適応力の向上とローコスト経営を実現

酒類を中心とした嗜好品の専門店を各地に展開する「やまや」では、仕入れから物流、販売まで一貫したローコスト経営を強化するため、約170拠点を結ぶ全店ネットワークを刷新。フレッツ網とヤマハルーターを基盤に高速・広帯域の音声/データ統合ネットワークを構築した。タイムリーなデータ収集による経営判断の迅速化や内線IP電話の活用による通信コスト削減など、やまやの経営戦略にヤマハルーターが貢献している。

流通・販売の徹底的な合理化で事業の拡大に成功した「やまや」

やまやは、1970年に宮城県塩釜市で設立以来、「流通、販売の合理化を実践し、消費生活を豊かにすることで社会に貢献する」ことを経営理念に、酒類を中心とする嗜好品の小売販売を推進してきた。また、さまざまな角度から「流通改革」に挑戦し、トータルコストの低減を図ることにより、高品質・ロープライスの商品を提供。その経営姿勢は消費者に高く支持されている。

「当社では、経費を削減した分は値引きをし、お客様に還元するという考えのもと店舗の拡大を図ってきました。また、昨今の規制緩和を背景に競争力の強化が求められる中、単にディスカウント販売をするのでなく、他店に真似のできない商品やサービスを提供するなど、酒類を中心とした嗜好品の専門店づくりを推進しているところです」と、同社の経営戦略を説明するのは、やまや代表取締役会長の山内 英房氏だ。

このような経営戦略のもと、消費者が求める高品質の商品をロープライスで安定供給できるよう、自社物流の全店ネットワーク化を推進。コンピュータシステムを自社開発するなど、早くから情報化に着手し、徹底した流通の合理化を図ってきた。Web-EDIによる店舗ネットワークを構築し、販売データや発注データを本社に一括して収集しているのもその一つ。各店舗の発注、入荷、在庫、販売から、物流センターの配送まで一貫して管理できるネットワークシステムを構築・運用している。

写真:株式会社やまや 代表取締役会長 山内 英房 氏
株式会社やまや

代表取締役会長
山内 英房 氏

フレッツ網とヤマハルーターを基盤にセキュアなVoIPネットワークを構築

これまで同社では、専用線やISDNを用いて本社と店舗、物流センターを結ぶ全店ネットワークを構築してきたが、さらなる流通の合理化やコスト削減に向けて、「セキュリティの高いブロードバンドネットワークを構築できないものか」と模索していた。

このような相談を受けたのが地元(仙台)のSIerである東京通信機だ。東京通信機は、東北地方を中心にデジタル交換機、電話システム、IP電話に始まりLAN、WAN、TV会議システムに至るまで、情報・通信といった分野を問わず、多種多様なシステムを構築してきた企業。同社では、やまやに対し「費用対効果の最も高く、経営革新をサポートするネットワーク」というコンセプトのもと、実用的なネットワークの提案を行った。

その提案とは、NTT東西のフレッツ回線を利用して特定の拠点間のみ接続するフレッツ・グループアクセス/フレッツ・グループを基盤に、高速・広帯域のVoIPネットワークを構築するというもの。トラフィックはフレッツ網内に閉じ、インターネットを経由しないためセキュアなネットワーク構築とともにブロードバンド環境を活かしたVoIPの導入で通信コストの削減が可能になる。

図:ネットワーク概要図(全170拠点)

ヤマハルーターとフレッツ・グループアクセス/フレッツ・グループを基盤に高セキュア、低コストのVoIPネットワークを構築。本社・金沢間はインターネットVPN、各店舗の外線、FAXはISDN経由で通信する。

各拠点に設置するルーターは、「コストパフォーマンスが高く、取り扱いのしやすいヤマハ製品を提案させていただきました」と話すのは、東京通信機 ITソリューション部 部長の國井 敬弘氏だ。本社及び西日本地区のトラフィックを集約する金沢の両拠点にイーサアクセスVPNルーター「RTX1000」とブロードバンドVoIPゲートウェイ「RTV700」を、各店舗にはブロードバンドVoIPルーター「RT57i」を導入し、約170拠点を結ぶ新たなVoIPネットワークを構築したのである。

東京通信機ではネットワーク設計に際し、ヤマハルーターを利用したIPIP(IP over IP)トンネルを採用。これは、IPパケットに別のヘッダ(端末のアドレスを特定するパケット)を付加して転送する技術。フレッツ・グループアクセス/フレッツ・グループのIPアドレスの付与方法のうち、「単一のグローバルIPアドレスのみ付与する端末型払い出しを併用することで、拠点間の接続を低コストに実現できます」と、同じITソリューション部で主任を務める長谷 信太郎氏はIPIPトンネルを採用した狙いを説明する。

写真:東京通信機株式会社ITソリューション部 部長 國井 敬弘 氏
東京通信機株式会社

ITソリューション部
部長
國井 敬弘 氏

写真:東京通信機株式会社ITソリューション部 主任 長谷 信太郎 氏
東京通信機株式会社

ITソリューション部
主任
長谷 信太郎 氏

スピーディな店舗データの収集で的確な経営戦略を推進

ヤマハルーターをベースにした新VoIPネットワークの導入効果について、山内氏は「アクセス回線にISDNを利用している店舗もあり、効果が発揮されるのは全拠点にBフレッツが導入されてから」と前置きしながら、「各店舗のデータをスピーディに集約し、処理できるようになりました」と述べる。その結果、本社では従来に増して迅速かつ的確な経営判断が行えるようになるなど、経営戦略の推進に役立っているようだ。

また、拠点との通話が大半を占めるというやまやにとって、内線IP電話による通信コストの削減効果は大きい。月額約100万円を削減し、将来的にはさらなるコスト削減を目指している。

「現在、店舗及び物流センターの音声IP化は完了しました。このように、店舗の通信事情に応じて柔軟に対応できる多彩なインタフェースを装備していることに加え、高スループットを実現できることもヤマハルーターを推奨した理由の一つです」と國井氏は説明する。一方、長谷氏は「本社から金沢経由で広島の店舗にPingのテストを実施したところ、遅延時間は数10ミリ/秒程度で、ヤマハルーターの高速性と高い通信品質を実証できました」と高く評価する。

この他VoIP以外にも、Webカメラを用いて各店舗の売場の状況を本社でリアルタイムに把握できる仕組みを構築。ブロードバンドネットワークの有効活用を図っている。

今後は各地のブロック長を召集する定例会議にテレビ会議システムを活用する構想もあり、出張コストの削減はもちろん、迅速な意思決定が可能になると見ている。酒類を中心にした嗜好品の専門店の展開を推進するやまやにとって、ヤマハルーターは“経営革新のツール”にもなっているのだ。

やまや本社サーバールームに設置している「RTX1000」とカスケード接続された「RTV700」

やまや本社サーバールームに設置している「RTX1000」とカスケード接続された「RTV700」

導入会社様

【株式会社やまや ロゴ画像】

株式会社やまや

所在地
〒985-0001
宮城県塩釜市新浜町1-11-19
URL  http://www.yamaya.jp/

事業内容
酒類を中心とする嗜好品の小売販売をメインに事業を展開。酒類卸売・物流業務や酒類製造のグループ会社を擁し、直輸入、物流の合理化などによりエブリディロープライスを実践している。


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