専門学校として、2年制の情報システム科および、より深く・広く学ぶ3年制の高度情報システム科を設置する、学校法人新潟高度情報学園新潟高度情報専門学校（以下、KOUDO）。充実したサポートで両学科における就職希望者内定率は100％を誇ります（2022年3月）。それを支えているのが、在学中の資格取得です。広くITの基本的知識・技能と実践的な活用能力を問う国家試験「基本情報技術者試験」は全員がチャレンジしており約7割が合格。さらにその上を目指す「応用情報技術者試験」についても6割弱が合格を果たしています。これまで、3,000人を超える卒業生が地元新潟県や首都圏の IT 系企業で活躍しており、毎年、県内外の企業から多数の求人が寄せられています。一方教師陣は、IT技術の進化スピードに対応する意味も含め、例年春に向けて新しい教材（教科書など）を選定していますが、学年毎の習熟度に合った難易度や情報量の教材を選ぶのに苦労していました。こうした中、2022年2月、「ヤマハネットワーク技術者認定試験」授業カリキュラムの存在を知り、2022年度の教材として導入しました。
「ヤマハネットワーク技術者認定試験」授業カリキュラムは、ネットワークの基礎的スキル習得を目指すエンジニアのための公式認定制度「ヤマハネットワーク技術者試験（YCNE Basic★）」に向けた教材を、専門学校および高等専門学校に提供し、授業で活用してもらう支援プロジェクトです。同試験に対応し、ネットワークの基礎や機器の設定方法が学べる公式書籍『ネットワーク入門・構築の教科書』のほか、ヤマハのルーター /スイッチ/無線LANアクセスポイントなど実習用の機材が提供されます。ネットワーク担当教員が次年度の教科書選定を進めていた2022年2月末、締め切り直前にプロジェクトの存在を知り応募。無事カリキュラム導入校に選ばれました。応募の理由は、教科書だけでなく、実習用機材など教材一式が提供されることでした。特に実機を用いた実習は、かねてより効果的なスキル習得に向けて導入を検討してはいたものの、実現に至っていなかったもので、学習内容の充実に相応しいものでした。
2022 年の新学期から、ヤマハより提供された教材を授業で利用しはじめたKOUDO。公式書籍『ネットワーク入門・構築の教科書』については、前半でネットワークに関する一般的な知識がしっかり網羅され、難易度やボリュームも適正で、幅広い知識の習得を目指すKOUDOの教育方針にもフィットすると評価しています。後半については、ルーターやスイッチ、無線 LAN アクセスポイントなど、ネットワーク機器の設定方法が中心になりますが、今回、提供された実機を用いて、基本的な設定によって繋がるケース・繋がらないケースを体験する実習をはじめて盛り込むことができました。今回は準備期間が少なく、実習プログラム（課題）の作成が間に合わなかったため、学生が自主的に試行錯誤しながら行いましたが、前半の座学で学んだ知識を実機で確認することにより、効果的に知識や技術を習得できるようになると考えています。来年度以降は時間をかけて実習プログラムを用意し、実習の比率を高める方向で引き続きヤマハの教材を使用した授業を進める計画です。
学校法人 新潟高度情報学園 新潟高度情報専門学校 教務部 酒井 考和氏
ネットワーク/セキュリティ /サーバ /データベースなどの教科を担当しています。ネットワークについてはこれまで座学一辺倒でしたが、実際に手を動かしてやってみないと身につかない部分があり、無線 LANルーターを購入してWi-Fiの設定などをやらせてみようかと考えていました。今回、提供いただいた機器を使い簡単な実習を行いましたが、ネットワーク機器に一度も触れたことがない学生も多く、新鮮な体験になったと思います。ネットワークのトラブルはビジネス停止に直結し、サイバーセキュリティ対策とも密接に関わっているため、これからのITエンジニアにとって、ますます重要な領域になってきます。来年度は新たな実習プログラムを用意して、より学習効果の高い授業を目指していきたいと思います。
技術者の育成に合わせて、教養・人格度の高い道義・礼節・作法をも見に付けた、人間性豊かな技術者および、人材を育成することを目指して、1985年に前身となる「新潟高度情報処理技術学院」を開校。現在「新潟高度情報専門学校」として、高度情報システム科（3年制）および情報システム科/ゲームクリエイター科（3年制）の3学科を設置。開校以来3,000人を超える卒業生が新潟県および首都圏のIT系企業などで活躍している。
（2023年1月23日掲載）