(最終更新日: 2023/8/1)
VPN(Virtual Private Network)とは、インターネットなどに接続している利用者の間に仮想的なトンネルを構築し、プライベートなネットワークを拡張する技術です。VPNを利用すれば、物理的に離れている拠点のネットワークを、あたかも自分の拠点と同一ネットワークかのような利便性や安全性で使用できます。
では、まずはVPNを利用しないで、インターネット越しにデータをやりとりする場合を考えてみましょう。
インターネットは、世界中のコンピューターとつながった大変便利なネットワークです。しかし、その反面、盗聴(通信の内容を他人が盗み読むこと)、改ざん(通信の内容を他人が書き換えること)、なりすまし(偽者が通信相手になり代わること)等の脅威が存在しています。そのため、ビジネスなどで大切なデータをやりとりする環境としては、安全とはいえません。
そんな課題を解決してくれるのがVPNです。VPNは、主に「認証」「暗号化」「トンネリング」という3つの技術で成り立っています。VPNを利用すれば、通信経路を認証や暗号化を用いて保護するため、第三者が侵入できない、安全なネットワークを構築できます。
VPNを利用したネットワークの形態を紹介します。ネットワークの形態は、大きく「LAN間接続VPN」と「リモートアクセスVPN」に分類できます。どちらの形態を使うかは、ネットワークの利用目的によって変わります。
LAN間接続VPNは、会社の各拠点のLAN同士を接続する形態です。会社とクラウドのLAN同士を接続する場合も、この形態になります。
LAN間接続VPNを実現するには、VPN接続方式としてIPsecやPPTPなどが使われます。各拠点にはVPN接続方式に対応したルーターが必要です。
リモートアクセスVPNは、外出先のPC、スマートフォンなどからインターネットを経由して、会社のLANに接続する形態です。
リモートアクセスVPNを実現するには、VPN接続方式としてL2TP/IPsecやPPTPなどが使われます。会社側にはVPN接続方式に対応したルーターが必要です。また、外出先にはVPN接続方式に対応したPC(*)やスマートフォンなどが必要です。
(*) L2TP/IPsecを使う場合は、PCに、YMS-VPN8ソフトウェアライセンス版、または、YMS-VPN8同時接続ライセンス版をインストールする必要があります。
この章では、あなたの目的に合わせて、オススメの情報をピックアップしてご紹介します。
◆VPNについて、より詳しく知りたい:
あなたにオススメのページ:
最も安全性の高い方式で各拠点のLAN同士を接続(LAN間接続)したい場合に、オススメなVPN接続方式です。
安全性を確保して、スマホなどからリモートアクセスしたい場合に、オススメなVPN接続方式です。
1つの接続方式でLAN間接続とリモートアクセスを併用したい場合、または、Windows PCから気軽にリモートアクセスしたい場合にオススメなVPN接続方式です。
機密性の高い閉域網などを使って、簡単な設定でLAN間接続を実現したい場合にオススメなVPN接続方式です。
各拠点をLAN間接続して、同一セグメントのネットワークを構築したい場合にオススメなVPN接続方式です。
※各VPN接続方式に対応している製品は、対応製品一覧でご確認ください。
あなたにオススメのページ:
LAN間接続VPNの設定例です。IPsecを使用します。
リモートアクセスVPNの設定例です。L2TP/IPsecを使用します。
※各VPN接続方式に対応している製品は、対応製品一覧でご確認ください。
◆VPNを用いて、実際にネットワークを構築したい:
あなたにオススメの設定例:
IPsecを使用して、拠点間を接続する設定例です。
PPTPを使用して、ネットワーク接続と内線電話の安全性を高めた設定例です。
VPNで接続する拠点の数が増えても、既存のネットワーク機器の設定変更が不要な設定例です。IPsecを使用します。
※各VPN接続方式に対応している製品は、対応製品一覧でご確認ください。
あなたにオススメの設定例:
アマゾン ウェブ サービス(AWS)が提供するAmazon VPC(Virtual Private Cloud)と、VPNで安全に接続するための設定例です。
Microsoft社が提供するMicrosoft Azureと、VPNで安全に接続するための設定例です。
ニフティ社が提供するニフティクラウドと、VPNで安全に接続するための設定例です。
※上記の設定例では、IPsecまたはL2TPv3/IPsecを使用しています。
※各VPN接続方式に対応している製品は、対応製品一覧でご確認ください。
あなたにオススメの設定例:
L2TP/IPsecを使用して、PCからUTMにリモートアクセスする設定例です。PCをVPNクライアントにするために、YMS-VPN8ソフトウェアライセンス版を利用しています。
L2TP/IPsecを使用して、スマートフォンからリモートアクセスする設定例です。
※各VPN接続方式に対応している製品は、対応製品一覧でご確認ください。
VPNの構築をお考えなら、ヤマハ ネットワーク製品がオススメです。この章では、ヤマハ ネットワーク製品のメリットを2点に絞ってご紹介します。
1点目のメリットは、VPNを設定しやすいということです。ヤマハルーター(一部機種を除く)には、Web GUIが用意されています。VPNの設定やヤマハルーターに慣れていない方でも、気軽にVPNを設定できます。
では、どんな感じか見てみましょう。下の画面は、RTX1210のWeb GUIのサンプルです。
ヤマハルーターのWeb GUIは、対話式で段階を踏んで設定できるのが特長です。
それでも、もし、設定に迷っても安心です。ヤマハのホームページでは、ネットワーク機器、ネットワーク構成、VPN接続方式など、さまざまな利用シーンに合わせた設定例(Web GUIやCLIの設定手順)を提供しています。特に迷いやすい設定については、解説ページも用意しています。下の図は、拠点間で統一するVPNのパラメーターを解説した一例です。
実際の解説ページ:
2点目のメリットは、ネットボランチDNSサービスを無料で利用できるということです。
「ネットボランチDNSサービス」とは、グローバルIPアドレスの名前解決ができるサービスです。通常、VPNの設定では、接続先を特定するために固定のグローバルIPアドレスが必要です。しかし、固定のグローバルIPアドレスをお持ちでないお客様でも、このサービスで得られる「ホストアドレス」を利用すれば、VPNの設定・運用ができるようになります。
ネットボランチDNSサービスの詳細は、「ネットボランチDNSとは」をご覧ください。
ネットボランチDNSサービスは、本サービスに対応したルーターにて、無料(*)、無保証の条件でご利用いただけます。ご利用にあたっては、必ず 利用規約をご確認ください。なお、予告なくサービスを停止する場合がありますので、ご注意ください。
(*) プロバイダーとの契約内容によっては、別途、通信料が必要です。
VPNに対応しているヤマハ ネットワーク製品は、以下のとおりです。詳細な情報を知りたい場合は、各製品をクリックしてください。
製品 | Web GUI 対応 |
VPN接続方式 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
IPsec | L2TP/IPsec | PPTP | IPIP | L2TPv3 (*1) | ||
ギガアクセスVPNルーター RTX5000 |
― |
○ 対地数:3,000 スループット: |
○ 対地数:3,000 |
― |
○ |
○ 対地数:49 |
10ギガアクセスVPNルーター RTX3510 |
― |
○ 対地数:1,000 (*2) スループット: |
○ 対地数:1,000 (*2) |
― |
○ (*2) |
○ 対地数:29 (*2) |
ギガアクセスVPNルーター RTX3500 |
― |
○ 対地数:1,000 スループット: |
○ 対地数:1,000 |
― |
○ |
○ 対地数:29 |
10ギガアクセスVPNルーター RTX1300 |
○ |
○ 対地数:100 (*2) スループット: |
○ 対地数:100 (*2) |
○ 対地数:4 |
○ (*2) |
○ 対地数:9 (*2) |
ギガアクセスVPNルーター RTX1220 |
○ |
○ 対地数:100 スループット: |
○ 対地数:100 |
○ 対地数:4 |
○ |
○ 対地数:9 |
ギガアクセスVPNルーター RTX830 |
○ |
○ 対地数:20 (*2) スループット: |
○ 対地数:20 (*2) |
○ 対地数:4 |
○ (*2) |
○ 対地数:1 (*2) |
LTEアクセスVoIPルーター NVR700W |
○ |
○ 対地数:20 スループット: |
○ 対地数:20 |
○ 対地数:4 |
○ |
○ 対地数:1 |
ギガアクセスVoIPルーター NVR510 |
○ |
― |
○ 対地数:4 |
○ 対地数:4 |
○ |
― |
ブロードバンドVoIPルーター NVR500 |
○ |
― |
○ 対地数:4 |
○ 対地数:4 |
○ |
― |
UTMアプライアンス UTX200 |
○ |
○ (*3) 対地数:制限なし スループット: |
○ (*3) 対地数:200 |
― |
― |
― |
UTMアプライアンス UTX100 |
○ |
○ (*3) 対地数:制限なし スループット: |
○ (*3) 対地数:100 |
― |
― |
― |
ファイアウォール FWX120 |
○ |
○ 対地数:30 スループット: |
○ |
○ 対地数:4 |
○ |
― |
(*1) L2TPv3 は、Web GUI 設定に対応しておりません。CLI 設定をご利用ください。
(*2) VPN拡張ライセンスを利用すると、VPN対地数を拡張できます。詳細は、各VPN拡張ライセンスの製品ページでご確認ください。
(*3) ルーターモードでの運用時に限ります。
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