2022年12月、敷地内に旧医院および医院長の自宅が隣接する形で、新しい医院を新設した日野歯科医院。それまで、コンシューマ向けWi-FiルーターひとつでLANとWi-Fiを構築していましたが、性能不足が顕著で、文書などファイルダウンロードに時間がかかる、Zoomミーティングの際につながらない、途中で切れるといったトラブルが度々発生していました。また、Wi-Fiは医院長自宅のプライベート用を兼ねていて、セキュリティ上の懸念もあったことから、新しい医院のオープンに合わせネットワークを刷新することに。通信速度と安定性を重視し、ビジネス用のネットワーク機器を新たに導入し、VLANで来院の患者様用、院内業務用、管理用、医院長自宅用のネットワークを分離する方向で検討を開始しました。
ICT担当が過去にヤマハ製品でネットワークを構築した経験があり、性能や安定性、設定などの操作性、コストパフォーマンスについて高く評価していたことから、ルーター/スイッチ/APなどオールヤマハでのネットワーク構成を医院長に提案することに。新しいネットワークのポイントは5つあります。①ビジネスクオリティの通信を目指し、AP一体型のWi-Fiルーターからルーター/スイッチ/APの構成に移行したこと。②通信の速度向上・安定性強化が見込める、IPv6 IPoE接続やWi-Fi 6対応APを導入し、③セキュリティ確保に向け、ルーターのVLAN機能で患者様用、院内業務用、管理用、医院長自宅用のネットワークを分離したこと。さらに、④院内の美観を重視しつつ、タブレットを用いて患者様に説明することを想定しWi-Fi環境を強化。そして、⑤エンドツーエンドの効率管理を実現するため、オールヤマハでネットワークを構成したことです。最終的に、医院長個人のヤマハブランドに対する信頼感・安心感もあり、提案した構成で導入が決まりました。
新医院は2022年末にオープンしましたが、オールヤマハで構成した新しいネットワークはトラブルもなく、速度や安定性が格段に向上しています。特に通信速度については、かつて数十Mbpsだったのが400Mbps前後まで改善。LAN接続のレセプトコンピュータや電子カルテシステムの利用はもちろん、Wi-Fi接続の院内業務用PCや患者様用タブレットによるインターネット利用についても、場所を問わず確実につながる環境を実現しました。ICT担当は前職での経験からCLIでの設定に慣れていましたが、「LANマップ機能」を用いることで、全体の構成を一覧マップで確認したり、VLAN設定など初期設定を確実かつ効率的におこなえたほか、AP(WLX222)のクラスター管理機能についても、個別設定が不要で一元管理できる点など、今回、実際に構築するなかでそのメリットを体感することができました。
新医院にRTX830+SWX2210P-18Gを設置し、スイッチやAPを介して、来院者向けWi-Fiを提供するほか、レセプトコンピュータや電子カルテ、レントゲンなどの端末をLAN接続。敷地内に近接する旧医院や医院長の自宅にもWi-Fi環境を整備。来院の患者様用/院内業務用/管理用/自宅業務用のネットワークをVLANで構築している。
セキュリティ強化に向けて、UTMやファイアウォールなどの導入も検討中
前職(ITエンジニア)でルーターなどヤマハ製品を扱ったことがあり、そこでの評価が今回の導入につながりました。近年は医療機関の電子化が進んでおり、医療サービスの提供を止めないために、ネットワークのセキュリティや安定性が求められています。今回ヤマハ製品によるネットワーク刷新で、かなりレベルアップを果たしましたが、さらにUTMやファイアウォールなどの導入も検討していきたいと思います。
1987年の開業以来、「患者さんは自分の鏡である」という気持ちを大切に歯科地域医療に携わる。患者さん一人ひとりに納得して治療を受けていただけるよう、細かな情報提供と分かりやすい説明、優しい接遇を心がけつつ、老若男女、通院しやすい“歯医者っぽくない歯医者さん”を目指す。
(2023年4月24日掲載)
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