千葉県立市川工業高等学校は、電気・情報・機械・建築・インテリアなどの専門分野を学ぶ工業高校であり、実践的な技術教育を重視している。近年はICTを活用した教育にも力を入れており、3Dプリンターやマイコンボードなどを活用した授業を展開している。同校では、GIGAスクール構想以前から校内ネットワーク整備に取り組んでおり、2019年より機械・電気科棟を起点として全校へ展開。その後も利用エリアを段階的に拡張しながら、現在に至るまで安定したネットワーク運用を継続している。その後、GIGAスクール構想により県教育委員会主導のネットワークが整備されたが、端末認証や通信制御の制約により、IoT機器や開発用デバイスの接続には手間がかかる場面があった。同校では、Raspberry PiやArduinoなどを活用した実習も多く、こうした柔軟な利用環境を維持するため、学校独自のネットワークを継続利用。現在はGIGAスクールネットワークと併用することで、最大約720名の生徒のICT利用を支えている。
従来よりヤマハ製ルーターの安定性に対する評価が高く、ネットワーク構築にあたってもヤマハ製品を中心に構成を検討した。
選定にあたっては以下の点を重視している。
当初は低価格帯の海外製品を採用したが、多台数接続時の安定性に課題があり、ヤマハ製品へ切り替えることで改善した。ゲートウェイについては当初1Gbps環境でRTX830を採用していたが、ICT活用の拡大に伴い帯域やNAT処理性能の課題が顕在化。10Gbps回線(フレッツ光クロス)の導入に合わせてRTX1300へ更改し、高速化と回線冗長化を実現している。また、ルーター・スイッチ・無線LANアクセスポイントをヤマハ製品で統一することで、「LANマップ」によるネットワークの可視化と効率的な運用が可能となった。
授業において一時的に大量通信が発生する環境でも、安定したネットワーク運用を実現。多台数同時接続においても安定した通信品質を維持している。
一部、通信速度に関する問い合わせが発生する場合でも、「LANマップ」やGUIを活用することで、接続状況の把握や原因特定を迅速に行えるようになり、対応時間の短縮につながっている。
今回の学校独自ネットワークでは、現時点で厳しい接続制限は設けていません。
そのため、生徒自身が「学校でインターネットをどのように使うのか」「どのように活用するのか」を主体的に考える機会にもなっています。
GIGAスクール構想のネットワークとは異なる柔軟な環境だからこそ、工業高校の「工学的な学び」に適しており、高速ネットワークを活用した実験や最新技術への挑戦など、生徒の好奇心を引き出す教育に活用できています。
電気科 主幹教諭 片岡 伸一 様
(2026年7月21日掲載)
ご相談・お問い合わせ