コロナ禍を契機に2020年以降、遠隔授業用の電子黒板などICT導入を積極的に進めてきた学校法人愛美学園 啓明学館高等学校。他校に先駆け、2020年8月、全教員にタブレットを導入。翌年の1年生から順次導入を計画。併せて、2022年4月からの新カリキュラム「情報Ⅰ」開始も念頭に、国の「GIGAスクール構想の実現に向けた情報通信ネットワーク環境整備事業」を利用して、学習用のWi-Fi導入を含め校内ネットワークを強化することに。既存の教務用LANは10年以上前から段階的に拡張してきたもので、老朽化が進み、パートナー・機器メーカー・契約（改選含む）など一貫性がなくバラバラでした。このため、トラブル発生時など、パートナーに問合せをしても“たらい回し”にされてしまううえ、設定情報などのドキュメントも分散し更新されていないものも多く、トラブルシューティングや設定変更に時間と労力がかかっていました。
全教室へのWi-Fi導入を柱とする大がかりな校内ネットワーク刷新にあたり、信頼できるパートナーを選定し中長期的なサポート契約を結ぶことに。製品については、コロナ禍でパートナーのエンジニアが来校してサポートすることが難しくなる事態も考慮し、自分たちでSSIDの変更など簡単な設定変更ができるユーザビリティを重視しました。その時、電気工事・通信工事などを行っている中央電機設備株式会社からの紹介で出会ったのが、岐阜県に本社を置く未来工業グループの総合建設業、未来技研株式会社（以下、未来技研）と、同社が推すヤマハのネットワーク機器でした。当初未来技研では、他メーカーのネットワーク機器も検討しましたが、過去の導入実績に基づく高い信頼性やコストパフォーマンスはもとより、問い合わせなどに対する素早い対応、常にエンドユーザの担当者やパートナーのエンジニアに寄り添う姿勢など、ヤマハのサポート品質についても高く評価。分かりやすいWebの管理画面からGUIで設定・管理でき、ポート数など製品ラインアップが豊富でニーズにフィットする製品が選べることもポイントとなり、ルーター、L3/L2スイッチ、無線LANアクセスポイントなど、すべてヤマハ製品による構成・設計が採用されました。
同校は未来技研とヤマハ製品の組み合わせによるメリットをすぐに体感することになりました。本格稼働直後、授業などで一斉にインターネットにアクセスすると、著しくパフォーマンスが低下する現象に直面。ヤマハの強力なサポートの下で未来技研が原因究明にあたった結果、ネットワーク機器の処理能力や設定にはなんら問題がなく、ベストエフォート型の回線の帯域不足によるものと判明。この時に活躍したのが、スイッチや無線LANアクセスポイントなどネットワーク全体の構成や個別の設定を分かりやすく可視化し、ループや端末の異常まで確認できる「LANマップ機能」や、リソース使用量やトラフィック量などを定常的に記録することで機器稼働や通信の状況を把握するL3スイッチの「パフォーマンス観測機能」などでした。いずれもWeb GUI上で確認でき、迅速なトラブルシューティングに貢献しました。この調査結果を受け、回線を帯域保証型のサービスに切り替えたところ、パフォーマンスの問題が解消されました。以降、新入生を迎えるごとにタブレットの導入数が増え、2022年6月現在、全校生徒および教員に約1,000台のタブレットやPCが導入されていますが、授業などで多数同時接続時もトラブルフリーで快適に利用しています。
学校法人愛美学園 啓明学館高等学校 事務長補佐 横山初彦氏
未来技研やヤマハのサポートで初期の通信トラブルを迅速に解決できほっとしました。今では、“空気を吸うように”特に意識することなく快適に利用しています。トラブルシューティングに際しても、以前はパートナーから説明を受けても専門用語だらけで理解できないことが多かったのですが、「LANマップ機能」の画面を見ながら分かりやすく説明いただき、ビジュアルと言葉の両面で納得することができました。我々のようにネットワークに疎いユーザーにとって、パートナーとのコミュニケーションを助けるツールとしてありがたい存在です。
1924年創立の愛知女子商業学校を礎とする私立女子高等学校。普通科（進学コース/教養コース）および商業科（ビジネスライセンスコース/商業デザインコース）にて、豊かな知性と感性、思いやりのある人格を育て、言葉遣いやマナーなどの品格を磨くことで、その時代に求められる人としての「生きる力」の向上を目指す。
未来技研株式会社 データセンターマネジメント 電気・通信担当 齋藤浩伸氏
弊社はこれまで、企業案件を中心にネットワーク構築の実績を積んできましたが、教育機関の場合、先生が利用する教務用と生徒が利用する学習用の2つのネットワークにおいて、パフォーマンスや安定性はもちろん、セキュリティも担保する必要があり、いかに最適な構成・設計を実現するか苦労しました。今後は、リモートでのサポート実現に向けて、クラウド型ネットワーク統合管理サービス「YNO（Yamaha Network Organizer）」も活用していきたいと思います。
所在地 岐阜県安八郡輪之内町楡俣1695-1
URL https://mirai-giken.co.jp/
（2022年12月14日掲載）
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