障がい者福祉施設が建ち並ぶ広大な敷地の一角に位置する、介護老人福祉施設「シルバーケア九頭竜」。介護職員の人手不足対策として、現場スタッフから「 “見守りシステム”と“コミュニケーションロボット”を導入したい」という要望が出ました。しかし、施設内のネットワーク基盤は開設以来20年以上大きな更新がなく、Wi-Fiが利用できるのはナースステーションなど一部業務エリアに限られていました。定員80名のベッドすべてに見守りシステムを導入し、常時インターネットに接続するコミュニケーションロボットなども含め、24時間安定運用するにはかなり心許ない状況です。施設内ネットワークの強化に向けて頼ったのが、長年、電話設備やナースコールシステム、音声系のネットワーク構築などで取引のあるパートナー「株式会社ほくつう」でした。
ほくつうの提案を受けた同施設では、2023年2月、オールヤマハ製品によるネットワーク基盤の全面刷新に踏み切ります。導入にあたり特に重視し評価したポイントは以下の4つです。
今回のネットワーク基盤更改では、高速インターネット回線に刷新し、サーバールームの業務システムを利用するシルバーケア九頭竜とその他3施設とをVPN接続。Wi-Fi構築については、ほくつうが事前にサーベイを実施し、全27台のWLX222を適所に配置したことにより、職員が入所者のバイタルデータを記録するタブレットや、入所者向けコミュニケーションロボットなど、施設内のどこでもストレスなく利用できるようになりました。特にタブレット利用については、職員から「リハビリ動画を見て勉強する際も、途切れることなく視聴できるようになった」「業務用データのダウンロードもサクサクできるようになった」と評価する声があがっています。試験導入したコミュニケーションロボットは、入所者に“癒やし”を提供すると同時に、搭載カメラによるリアルタイム監視なども可能で、今後各フロアに1台の導入を検討しています。ICT推進室では引き続き、本命となる見守りシステムの導入に向けて準備を進めています。
サーバールーム設置のルーターRTX1300からコアスイッチSWX2320-16MT、フロアスイッチSWX2221P-10NTまでは全て10GbE接続。SWX2221P-10NT配下に無線LANアクセスポイントWLX222を27台設置することで、シルバーケア九頭竜の施設内全域で「無線が途切れず高速なWi-Fi環境」を実現。
九頭竜厚生事業団 総務部 ICT推進室長 森 正浩 氏
今回のネットワーク基盤刷新で、介護施設については、安心してICTソリューションを導入できる環境が整いました。今後も利用者が増え続けることを考えると、ICTを活用した人手不足の解決が急務となります。コストパフォーマンスに優れるヤマハ製品や、当事業団のことを熟知したほくつうさんとの出会いによって、そのための第一歩を踏み出すことができました。引き続き、同じ敷地に隣接する障がい者施設などについても、ネットワーク基盤を強化しICTの導入を進めていく計画です。
福井県勝山市・福井市の豊かな自然の中、障がい者福祉サービスを営む12施設事業所および、高齢者福祉サービスを営む4施設事業所を運営。地域における社会資源としての役割を担い地域と共に発展することを目指している。1977年10月設立。
株式会社ほくつう
ソリューション営業1課 赤松慎也 氏 / ソリューション技術1課 川端 渉 氏
「少なくとも今後10年は、安心&快適に利用できるネットワーク環境を」と考え、10GbE/Wi-Fi 6の機器構成を提案しました。施設があるエリアではまだ10G回線が提供されていませんが、今回ネットワーク環境を10G/マルチギガ化したことで、より高速な回線サービスにもすぐに対応可能です。今後、施設利用者が増え、コミュニケーションロボットや見守りシステムの通信および職員のタブレット利用が増えたとしても、快適に使えるネットワーク環境を整備できたと考えております。引き続き、事業団全体でのICT導入推進をサポートしていきたいと思います。
福井支社 福井県福井市問屋町2丁目43番地
創立 1950年6月
URL https://www.hokutsu.co.jp/
(2023年9月7日掲載)
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