ニッタン株式会社

RTXシリーズを基盤にインターネットVPNを導入
回線の冗長化で信頼性の確保と通信コスト削減を実現

総合防災メーカーのニッタン株式会社では、業務の効率化やコスト削減を目指して全社ネットワークを刷新。全国44拠点を結ぶインターネットVPNを構築した。そのプラットフォームを担うのがヤマハのイーサアクセスVPNルーター「RTXシリーズ」だ。回線バックアップ機能を活用してアクセス回線のフレッツ網を冗長化するなど、全社ネットワークの信頼性の確保と広帯域化、大幅な通信コストの削減を実現している。

より速く、より低コストな全社ネットワークに刷新

創業50周年を迎えるニッタン株式会社では、「最も貴重な人命と財産を火災などの災害から守る」という社会的使命のもと、市場ニーズを先取りする信頼性の高い防災システムの提供を通じて社会に貢献してきた。ビル建物向けの自動火災報知設備や消火設備などに加え、共同住宅や一般家庭向けの住宅用火災警報器にも注力するなど、オンリーワン商品の開発・販売体制を含め、強化している。
こうした事業展開を支えるのが全国の営業店(支社・支店・営業所)や本社を結ぶ全社ネットワークだ。生産や受発注、在庫管理などの基幹システムとともに変遷を重ねてきた。近年は、各支社にサーバーを分散配置してISDNでダイアルアップ接続する形態から、サーバーの集中管理を図るためIP-VPNを導入したが、さまざまな問題が顕在化していたという。

「その一つがサーバーレスポンスの問題です。各拠点とIP-VPN網のアクセス回線はDA64及びDA128を利用しており、回線が狭帯域だったことに加え、各拠点のトラフィックが横浜工場のサーバーに集中することから処理に時間がかかり、もっと高速にしてほしいとの要望が各拠点から寄せられていました」と、ニッタン電子株式会社のコンピュータ室 室長で前情報システム部 部長代理の大西 赦視氏は振り返る。

また、「ITの活用による業務の効率化やコスト削減が全社的な命題になっており、より速く、より低コストな全社ネットワークへの刷新が求められていました。そこで、当社のネットワークを担当していたNTT東日本に相談したのです」と、ニッタン株式会社 情報システム部 部長代理の片切 光典氏は述べる。

写真:ニッタン電子株式会社コンピュータ室 室長大西 赦視 氏(前情報システム部部長代理)
ニッタン電子株式会社

コンピュータ室 室長

大西 赦視 氏

(前情報システム部部長代理)

写真:ニッタン株式会社情報システム部 部長代理片切 光典 氏
ニッタン株式会社

情報システム部 部長代理

片切 光典 氏

RTXと回線の冗長化で信頼性の高いインターネットVPNを構築

ニッタン株式会社の高速かつ低コストの全社ネットワークを実現するため、NTT東日本ではインターネットVPNを提案。「インターネットVPNのアクセス回線にフレッツの各種サービスを活用することで、今回の要件を満たせると判断しました」と、NTT東日本 東京支店 法人営業本部 港第3営業部門の佐藤大助氏は話す。そして、ネットワーク設計を担当したシステムソリューション部門 システムインテグレータの藤﨑信氏は「インターネットVPNでは信頼性がポイントになります。そのため、冗長構成のネットワーク設計を行い、プラットフォームにはヤマハのイーサアクセVPNルーター『RTXシリーズ』を選定しました」と述べる。

具体的には、各拠点の主回線にBフレッツ、副回線にフレッツADSLまたはフレッツISDNを利用し、万一の回線障害時にはRTXシリーズの自動回線バックアップ機能を用いて切り替える仕組みだ。また、ISP側の障害も考慮し、主回線と副回線のそれぞれで接続するISPを分けることで万全を期している。さらに各拠点からのトラフィックが集中する横浜工場と本社には複数台のRTXシリーズを設置し、VRRP機能を用いて冗長化を図るなど、全社ネットワークの信頼性を高めている。

RTXシリーズを推奨した理由について、「豊富な導入実績に加え、高い処理能力が要求されるセンター側には『RTX2000』、コストパフォーマンスが重視される各拠点側には『RTX1000』というように同一シリーズで対応できることや、多様な回線インタフェースを備えているためです」と藤﨑氏は説明する。例えば、主回線に現在フレッツADSLを導入している拠点でも、今後Bフレッツの開通時に切り替えることができる。つまり、各地域のアクセス回線の拡充に合わせてネットワークを柔軟に拡張できるのだ。

NTT東日本では、ニッタン株式会社のインターネットVPNのような企業の経営課題を解決する付加価値の高いソリューションを今後も展開していくという。「高速・低コストのメリットに加え、フレッツ回線やISP接続の冗長化により、信頼性の高いインターネットVPNが構築できることを実証できたと自負しています」(藤﨑氏)

写真:情報システム部(横浜)に設置されたRTX2000とRTX1000

情報システム部(横浜)に設置されたRTX2000とRTX1000

写真:東日本電信電話株式会社(NTT東日本)東京支店 法人営業本部港営業部門システムソリューション部門システムインテグレータ藤﨑 信 氏
東日本電信電話株式会社
(NTT東日本)東京支店

法人営業本部港営業部門
システムソリューション部門
システムインテグレータ

藤﨑 信 氏

写真:東日本電信電話株式会社(NTT東日本)東京支店 法人営業本部港第3営業部門 第4営業担当佐藤 大助 氏
東日本電信電話株式会社
(NTT東日本)東京支店

法人営業本部港第3営業部門
第4営業担当

佐藤 大助 氏

ネットワーク構成(全44拠点)

図:ネットワーク構成図(全44拠点)

インターネットVPNで大幅な帯域拡大と通信コスト削減を実現

RTXシリーズとフレッツ回線を基盤に全国44拠点を結ぶインターネットVPNが本格稼動を開始して3カ月が過ぎたところだ。その導入効果について、ニッタン株式会社 情報システム部 課長代理の中司 泰弘氏は「RTXシリーズはまったく問題なく稼動しています。高速なVPNスループットにより、大容量のファイルも快適にやり取りできるようになりました。また、これまで拠点ごとに行なっていたインターネット接続を本社経由に変更するなど、ネットワークの一元管理にも役立っています」と評価する。

通信コストの削減にも大きな導入効果を発揮している。
「IP-VPNに比べ、帯域を大幅に拡大するとともに、約4割の通信コスト削減を実現しています。このため、インターネットVPN導入の初期投資コストを1年以内に回収できるはずです」と大西氏は試算する。

情報システム部ではさらなる通信コストの削減に取り組んでいる。「バックアップ用の副回線を活用し、今年度中のVoIP稼動を目指して検討を開始しています。RTXシリーズ導入はVoIPの拡張も視野に入れたものなのです」と片切氏は述べる。そして、基幹システムやVoIPなどのミッションクリティカルなシステムの活用に向け、「RTXシリーズの機能強化を含め、今後ともきめ細かなサポートをお願いしたいですね」と中司氏はヤマハに対する期待を口にする。

インターネットVPNによる全社ネットワークのインフラを整備したニッタン株式会社では、総合防災企業として安全な社会づくりをさらに推進していく構えだ。

写真:ニッタン株式会社 情報システム部 課長代理 中司 泰弘 氏

ニッタン株式会社
情報システム部 課長代理
中司 泰弘 氏

導入会社様

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所在地
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東京都渋谷区幡ヶ谷1-11-6
TEL:03-3468-1111
URL  http://www.nittan.com/

事業内容
設計から施工・保守まで担う総合防災企業。住宅用の火災警報器から大型インテリジェントビルの防災システム、工場プラント、航空機防災機器までさまざまなニーズに対応。製品群は国内のみならず、欧米・中国・東南アジアなどにも提供されている。


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