株式会社 リソー教育

大塚商会の「ヤマハルーター版FMSサービス」を活用しセキュリティ強化と運用負担軽減を両立

リソー教育グループでは情報共有の活性化と将来を見据えた通信基盤整備を目的に、大塚商会が提供するインターネットVPNサービスおよび、通信機器の運用・管理サービス「FMS(Firewall Management Service)」も併せて導入した。新ネットワークにより、グループ横断的な情報基盤が整備され、「登下校情報お知らせシステム」など付加価値の高いサービス提供も可能になった。今後は新ネットワークをベースに内部統制の強化や学習・進学指導のさらなる質の向上につなげていく考えだ。

内部統制の構築と情報化の推進が課題 基盤としてインターネットVPNを導入

首都圏限定で展開する個別指導専門塾「TOMAS」、全国展開を進める、家庭教師センター「名門会」や有名幼稚園・小学校受験指導塾「伸芽会」などを運営するリソー教育グループ。生徒一人ひとりに合わせた、きめ細やかな指導体制が高い評価につながっている。特にTOMASは1対1の完全個別指導を徹底しており、すべての教室を直営している。各教室には講師陣をマネジメントする社員を最低3名は配置し、細やかなコミュニケーションで生徒・保護者の学習指導・進路相談などに対応している。

「きめ細やかな学習指導や進学相談を行うには、本部と各教室との連携・情報共有が不可欠です」とリソー教育内部監査室室長の鈴木伸東氏は話す。

例えばTOMASでは生徒の学習進度に応じて百人百様の個人別カリキュラムを作成し、学習・進学指導にあたっている。そのため、教室現場は生徒や家庭の情報をはじめ、講師情報や社内の連絡事項等情報があふれている。しかしこれまでリソー教育グループには本部と教室をつなぐ統合的なネットワーク環境が不十分であったため、情報のやり取りは主に電話やFAXに頼っていた。鈴木氏は「これまでも、伝言メモやFAXがなくなったり、FAXの送信漏れやミスが業務の効率を落とすことがありました。そのため、これまでの通信手段を補完するネットワークの整備が不可欠だと考えていました」と打ち明ける。

そうした中、日本版SOX法、新会社法の施行などに伴い、企業には内部統制の構築が強く求められるようになった。東京証券取引所第一部に上場しているリソー教育グループにとって、コンプライアンス対応は必須の経営課題。「つまり内部統制を構築することで、社内の情報共有や業務の効率化を推進していきながら、グループ経営のシナジーを高めていくためにも統合的なネットワーク環境の整備が必要だったのです」と鈴木氏は説明する。

そこで2007年夏頃より、同社ではグループ内ネットワークの構築を検討。複数のサービスを検討した結果、大塚商会が提供するインターネットVPNサービスを採用した。

株式会社 リソー教育 内部監査室 室長 鈴木伸東氏
株式会社 リソー教育

内部監査室 室長
鈴木伸東 氏

株式会社 大塚商会 営業本部 トータルソリューショングループ TSM課 課長 小室孝雄 氏
株式会社 大塚商会

営業本部 トータルソリューショングループ
TSM課 課長
小室孝雄 氏

1対1の完全個別指導を徹底するTOMASの指導体制

1対1の完全個別指導を徹底する
TOMASの指導体制

決め手は豊富な実績と高い信頼性 動的IPアドレス対応も高く評価

図 リソー教育グループのネットワーク構成(全97拠点:2008年3月現在)

図 リソー教育グループのネットワーク構成(全97拠点:2008年3月現在)

本社に設置した「RTX3000」と各教室に設置した「RT107e」により、TOMAS、名門会、伸芽会のすべての教室をつなぐインターネットVPNを構築。さらにインターネット接続ルートは本社設置の「RTX1100」経由とし、セキュリティを確保した。
※各拠点に「FMS/YAMAHA」(ヤマハルーター版FMSサービス)を使用。

同社が大塚商会の提案を選択した理由の1つに、大塚商会が「FMS(Firewall Management Service)」をはじめとするアウトソーシングサービスを提供していた点が挙げられる。サービスの1つである「FMS/YAMAHA」(ヤマハルーター版FMSサービス)とは、セキュアなルーターをレンタルで貸出し、24時間365日の稼働監視を行うサービスだ。

「グループを統合するネットワークを構築する上で、セキュリティは非常に重要視した要素。というのは、当グループでは生徒の皆さんやそのご家庭の情報のみならず、講師の先生方の個人情報も多くお預かりしているからです。ただし、専任のネットワーク管理者を置くといったリソースの確保が難しいため、セキュリティ強化と運用負担軽減の同時実現を検討していました。

その点、大塚商会はこうしたIT機器の管理やセキュリティを『たよれーる』というサポートプログラムのもと豊富に提供しています」と鈴木氏は選定理由を述べる。

一方、ネットワークサービスを提供する大塚商会の営業本部 トータルソリューショングループ TSM課長 小室 孝雄氏は次のように語る。

「グループの業務の基盤を担うネットワークですから、信頼性は最も重視しました。その点、ヤマハのルーターは導入実績が豊富な上、高い信頼性に定評があるため、自信を持って提案できます。また、ヤマハの『RT107e』なら動的IPアドレスに対応したルーター監視が可能。固定IPアドレスよりも安価な動的IPアドレスを利用できるため、コストパフォーマンスの点でも大きなメリットがあります」

ネットワークの構築は2007年10月より着手。各拠点に順次ヤマハルーターを導入していき、同12月末には本社とTOMAS、名門会、伸芽会のすべての教室を含む97拠点を接続し、稼働を開始した。具体的には本社に親機となる「RTX3000」とインターネット接続用の「RTX1100」を設置。さらに各教室に「RT107e」を導入し、アクセス回線にはBフレッツまたはフレッツ・ADSLを利用している。これにより、グループ横断的な統合ネットワークを実現。しかも、インターネットへの接続は本社のRTX1100を経由する構成にしたことで、外向きの接続先が1カ所に集約され、セキュリティの強化にもつながっている(図)。

※「たよれーる」
ITの活用をはじめ、企業の様々な業務を総合的に支援するサービス&サポートプログラム。企業の抱える様々な課題をワンストップで解決する。

ネットワークの活用で新サービスを提供
今後は紙文化を脱却し、内部統制を強化

新ネットワークは運用開始後、大きなトラブルもなく安定的に稼働している。リソー教育グループの情報化推進の動きはまだ始まったばかりだが、基盤となるネットワークが整備されたことで、生徒の家庭向けのサービスも安心して運用可能になった。TOMAS全校に導入している「登下校情報お知らせシステム」もその1つ。これは生徒に配布したICカードを専用のカードリーダーにかざすだけで登下校状況とその時間を保護者にメールで通知するサービスだ。ネットワークの活用により、安心・安全を求める消費者ニーズに応える付加価値の高いサービスが提供可能になり、他塾との差別化にも貢献している。また、TOMASではこの仕組みを受験情報、グループで主催するイベント情報、そして台風時などの休校案内といった情報の一斉配信にも活用している。

今後はTOMAS、名門会、伸芽会をつないでいるネットワークを整備・拡大し、TV電話による個別指導を行う「日本エデュネット」、グループの生徒募集を行う「リソー教育企画」を含めたグループ全体に展開していく方針だ。

それと同時に現在手作業で行っている各教室からの教材や文具等の消耗品の発注業務などを、ネットワークを介して省力化・自動化。「内部統制の構築にあわせて、これまでの紙中心の文化から効率化できる業務を選別し、高効率で働きやすい環境の構築を目指します」と鈴木氏は語る。また、VoIPによる拠点間通話の内線化も検討しているという。この場合でも、ヤマハのルーターであれば、容易に実現することが可能だ。

今後も、ヤマハのルーターを核にした新ネットワークが、リソー教育グループの内部統制の強化や学習・進学指導のさらなる質の向上を支えていくことになるだろう。

導入会社様

【株式会社リソー教育 ロゴ画像】

株式会社 リソー教育

本社 東京都豊島区目白3-1-40
取引市場 東京証券取引所(一部上場)
設立 1985年7月6日
資本金 6億8419万円
売上高 140億7742万円(連結)
正社員 413名(連結)
URL  http://www.tomas.co.jp/

事業概要
生徒の個性・個人差に的確に対応した個別指導方式で定評がある進学塾「TOMAS」のほか、「日本エデュネット」「名門会」「伸芽会」「リソー教育企画」を含めた5つの子会社からなるリソー教育グループを形成。「人間総合生活情報サービス業」として躍進を続けている。
※数字は2007年2月28日時点


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