岡山県倉敷市立豊洲小学校

教室内40台のPCで場所によらず安定した無線通信を実現
"授業を中断させない"ことに適した無線LANアクセスポイント

  • ◎教室内の40台のPCが途切れない・遅延しない
  • ◎設置場所に縛られず、ICT機器を移動して利用できる
  • ◎無線LANの「見える化ツール」でネットワークのトラブルとなる端末を早期に特定

導入の経緯

教育ICT環境が整うにつれ、教員の業務負荷が高まりつつあります。授業で利用するタブレットPCが無線LANにすべて接続されているか確認し、授業開始後にトラブルが起こればアクセスポイントを再起動し、時にはタブレットPCを使わない授業へ切り替えたりします。
倉敷市立豊洲小学校では、教員の負荷を軽減し、安心して利用できるアクセスポイントを求めて、同クラスのアクセスポイント2機種の導入試験を行いました。試験では、実際の授業を再現するために児童を着席させて学習アプリケーションを起動し、端末ごとの電界強度や通信速度、学習アプリケーションの動作状態を調査しました。さらに、アクセスポイントの適切な設置場所を決めるため、教室内の「出入口」「黒板上」「天井」「廊下」などに設置して、電界強度の変化も検証しました。
結果として、ヤマハの無線LANアクセスポイント「WLX302」は、40台すべての端末で無線が途切れず、十分な通信速度を偏りなく確保できていることが実証されました。設置位置に関して、想定したどのポイントに設置しても安定して利用できることがわかり、可搬性に優れた機種として導入が決まりました。

岡山県倉敷市立豊洲小学校 教育ICT環境イメージ

岡山県倉敷市立豊洲小学校 教育ICT環境イメージと導入試験イメージ

導入後の効果

導入試験の結果、WLX302を定位置に固定するのではなく、他の教育ICT機器と一緒に運搬可能なラックに置き、必要に応じて教室間を移動できるようにしました。これにより、初めから全ての教室に教育ICT環境を導入するのではなく、段階的な機器の導入を可能にしました。

タブレットPCを使ってプレゼンテーション用の資料を作る授業では、40名近くの児童全員が一斉にインターネットにアクセスして情報を集めます。

先生のもとでは児童の学習内容を無線経由でリアルタイムに確認でき、教室前方のディスプレイには回答の進捗状況が表示されます。考え込んでいる児童がいれば、教員がすぐに指導でき「目の行き届いた授業」が可能となります。

可搬ラックに置かれた教育ICT機器

可搬ラックに置かれた教育ICT機器

左から、タブレットPCによる授業風景、学習アプリケーションによる児童の回答状況の一覧表示画面

将来の展望

文部科学省「先導的な教育体制構築事業」委員も務める尾島校長は、1台のWLX302が校庭の隅々まで無線LANの電波を届けることを確認し、「今後は教室内だけでなく校庭や講堂での学習にも、積極的に取り入れたい」と非常に意欲的です。また、将来的にレディネス学習(授業前に課題を与えて、家庭などで事前に調べたり考えたりといった準備を行わせる学習方法)が導入された際にも、有効と考えています。
今後、教育ICTではシンクライアント化が進んでいくと予測されます。ですが、仮想デスクトップ化した環境での運用管理は、現場の教職員では対応が難しく、情報学習センターなどへの外部委託が不可欠です。しかし、ヤマハのルーター「RTX1210」であれば、「見える化」機能によって、ネットワークのトラブルが暗号化通信を用いて遠隔拠点からも簡単に確認できるため、安心して遠隔管理が行えると同校長は言います。同校では、今後も教育ICTの現場に適したヤマハのネットワーク機器の導入を進めていくとのことです。

ユーザーの声

教育ICTというと、デジタルなものを授業に取り入れることと考えがちです。しかし、実はそれはアナログ的なものなのです。授業で作った作品をみんなでタブレットPCの画面を見ながら撮影する、誰かが校内SNSに書き込んだことにみんなでコメントをする、こうしたことは、児童のコミュニケーション能力を高め、他人の気持ちになって考える心を育てます。
そうした教育ICTの強化は非常に重要なことですが、ネットワーク管理まで教職員が担当することは現実的ではありません。教員であれば、どのようなカリキュラムによって児童達が楽しく学んでいけるかを考えたり、また教員間の授業の振り返りによってさらに効果的な授業を行えるようにしたりといった、本来の業務に専念できるようにしなければなりません。
そのため、ネットワークを含めたICT環境の管理は、情報学習センターなどに委託する必要があるのではないかと考えています。ヤマハのネットワーク機器は、外部からの遠隔管理が可能であり、安定性にも優れていて、無線LANも途切れることがありませんでした。このような信頼できるインフラこそ、教育ICTの現場が求めていたものだと感じています。

尾島 正敏 氏

岡山県教育工学研究協議会 会長
文部科学省「先導的な教育体制構築事業」委員
総務省「先導的教育システム実証事業」委員
岡山県倉敷市立豊洲小学校 校長
尾島 正敏 氏

導入会社様

岡山県倉敷市立豊洲小学校

岡山県倉敷市立豊洲小学校

場所 岡山県倉敷市西田201-1
創設 明治6年
URL  http://www.kurashiki-oky.ed.jp/toyosu-e/

岡山県倉敷市立豊洲小学校は、明治6年3月に創設された歴史ある小学校です。同校の「指導の重点」は、確かな学力の向上を目指して「自ら学び考える力の育成」です。この自ら学び考える力を伸ばすため、いち早く「パソコン教室」を設置し、平成16年には校内LANを敷設するなど、教育ICTの積極的な導入を進めています。
同校では、教員自らがカリキュラムを作成し、ICT機器を活用したさまざまな授業を行っています。授業で利用するすべてのICT機器は無線LANアクセスポイントでつながり、先生と児童とが相互に操作し、楽しみながら学んでいます。その学習効果は満足できるもので、児童の自主性を育む結果を生み出しています。

岡山県倉敷市立豊洲小学校 外観

販売パートナー様

株式会社内田洋行

株式会社内田洋行

本社 東京都中央区新川2-4-7
設立 1941年5月
URL  http://www.uchida.co.jp/

弊社は、数年前から校務支援システムの導入試験を進めていましたが、教育ICTのインフラとの統合の話となり、ご一緒することになりました。今回の導入試験では、弊社内に置いたサーバーにVDI環境を構築し、豊洲小学校様とRTX1210でVPN接続しました。そのVDIイメージはWLX302を通して教室内のすべてのPCに配信され、40台が遅延なく稼動しているのを確認しました。ネットワーク機器としてこなれているものの組み合わせならば、仮想デスクトップ化が実現可能だという知見を得たのはとても大きなことでした。

今村 兼二 氏

株式会社内田洋行 営業本部
教育ICT事業部西日本営業部
営業1課 今村 兼二 氏

西日本電信電話株式会社

西日本電信電話株式会社

本社 大阪府大阪市中央区馬場町3-15
設立 1999年7月
URL  http://www.ntt-west.co.jp/

WLX302の導入試験の際に、同クラスの無線LANアクセスポイント2機種と比較検討しました。どの機種も安定接続と通信速度確保に必要な電界強度として-75dB以上を満たしていたのですが、その中でもWLX302の電波状態は良好で、そのスループットは目を見張るものがありました。40台すべてのPCで速度の違いがなく、教育ICTの現場に最適な無線LANアクセスポイントだと確信しました。また、「見える化」機能は、日頃ネットワークの設定を行っているエンジニアにとっても有益なものです。「見える化」によって確実に設定されていることがわかるため、インフラ構築工程の省力化が実現できました。

野瀬 貴士 氏

西日本電信電話株式会社 岡山支店
ビジネス営業部SE部門
SE担当 野瀬 貴士 氏

掲載内容は2016年3月31日現在の情報です。

(2016年4月7日掲載)


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