WISS 2022

機器構成のシンプル化を徹底し
年に1度のワークショップのネットワーク構築を効率化

  • ◎ルーターやAPの集約により機器構成をシンプル化、ケーブリングなどセッティング工数を大きく削減
  • ◎ルーター/スイッチ/APの10GbE/2.5GbE対応やAPのWi-Fi 6対応により、高帯域で安定したWi-Fi接続環境をメイン会場で実現
  • ◎ヤマハ独自のLANマップ機能でネットワークを一元管理、トラブルにも迅速対応

導入の背景

ネットワーク構築の工数削減に向けて、機器構成のシンプル化を追求

社団法人日本ソフトウェア科学会のインタラクティブシステムとソフトウェア研究会では、2泊3日のワークショップ「WISS(Workshop on Interactive Systems and Software)」を毎年開催しています。30回目となるWISS 2022は、前年に続きリアルとオンラインのハイブリッド開催となりましたが、コロナ禍以前に近い約170人が現地参加し、連日、全員収容可能なメイン会場での登壇発表や、小規模5会場でのインタラクティブ形式のデモ発表などが繰り広げられました。
その際に利用する会場のネットワークは、例年、ボランティアの実行委員(WISS 2022では2名)が構築を担当。機器については、手頃な価格やセッティングのしやすさなどを評価し、ヤマハ製品を中心に導入を進めてきた結果、オールヤマハ製品の構成となっています。WISSではここ数年、より少ない工数でネットワークを構築できるよう、機器構成のシンプル化を進めてきました。今回のWISS 2022でも、よりハイスペックな機器に置き換えることで機器の数を減らし、ケーブリングなどセッティング工数をさらに削減すべく検討を進めました。

導入の背景

選定の理由

機器構成のさらなるシンプル化と、10/2.5GbE・Wi-Fi 6対応による通信の高帯域化・安定化

前回までは、インターネット2回線を別々のルーター(RTX1200/RTX1210)に収容しVLANを組んでいましたが、WISS 2022では、9月に登場したばかりのVPNルーターRTX1300を導入。新機能の「フレキシブルLAN/WANポート」を利用して1台に2回線を収容したうえで、登壇発表用ネットワーク、デモ発表用ネットワーク、参加者向けWi-FiなどをVLANで分けました。さらにメイン会場のAPを、従来のWLX402(最大接続端末100台)から、WLX413/WLX222(同500台/140台)に変更することで、5基から3基(WLX413×2+WLX222×1)に削減し、全体として機器構成のシンプル化を果たしました。
また、ルーター直下のスイッチにL2 PoEスイッチSWX2322P-16MTを導入したことで、メイン会場では、ルーター(RTX1300)からスイッチ(SWX2322P-16MT)~AP(WLX413/WLX222)に至るまで10/2.5GbE対応となり、さらにAPのWi-Fi 6対応も相まって、現時点における理想のWi-Fi接続環境を実現しました。

選定の理由

導入後の効果

ケーブリングなどセッティングの手間を軽減し、ストレスフリーを実現

ルーターやAPなど機器構成のシンプル化により、ケーブリングや機器の動作チェックなどの作業が大幅に削減され、セッティングに要する時間を短縮。特にケーブリングについては、広大な会場スペースにあわせ50m級の長いLANケーブルを取り回し接続したうえで都度チェックする必要がありましたが、機器構成のシンプル化でケーブル数が減ったことにより、大幅に負担が軽減されました。
また、メイン会場のWLX413/WLX222はクラスター管理機能に対応しており、1台のAPをセッティングし、残りのAPは同じLANに接続するだけで簡単にセッティングが完了し、省力化に貢献しました。さらに、LANマップでRTX1300配下のネットワーク機器すべてを一元的に管理することで、LANマップ経由で各所に設置したAPの設定や電波状況を確認でき、急な構成変更やトラブルにも迅速に対応できました。
今回はじめてWi-Fi 6対応のWi-Fi接続環境をメイン会場で実現したこともあり、事後アンケートにおける評価も良好で、ユーザーエクスペリエンスの改善に手応えを得る結果となりました。ISS研究会では今後も、構成のシンプル化やセッティングの効率化につながるような機器を取得しつつ、その他についてはレンタルサービスを利用するなどして、WISSのネットワークを整備していく計画です。

WISS 2022におけるRTX/SWX/WLXの活用方法

インターネット回線2回線をRTX1300に収容したうえで、登壇発表用(メイン会場)、デモ発表用(5箇所)、参加者向けWi-FiなどのネットワークをVLANで構成。
スイッチ(SWX2322P-16MT/SWX2200-8PoE)を介して各会場のAP(WLX413/WLX222/WLX402/WLX313)に接続。メイン会場のネットワークは、10/2.5GbEとWi-Fi 6に対応し、快適な通信環境を実現した。

WISS 2022におけるRTX/SWX/WLXの活用方法

ユーザーの声

想定外のアクシデントを乗り越え、スムーズな引き継ぎにも目処

ワークショップ運営は多くのボランティアに支えられており、ネットワークを担当する私と原さんは任期切れが近く、スムーズに引き継ぐためにも、できるだけ構成をシンプルにすることが重要でした。今回RTX1300を利用することで、シンプル化と同時にすべての機器を統合管理できるようになり、大きく前進しました。

WISS 2022 実行委員 ネットワーク担当 奥本 隼 氏(株式会社TwoGate)

実は今回、直前に急遽構成が変更になったり、現場で小さなトラブルが発生したりといった、想定外のアクシデントがありました。それぞれなんとか対応して無事ワークショップを終えることができたのは、ひとえにシンプルな構成とセッティングが容易な構成が実現できたからこそと思います。

WISS 2022 実行委員 ネットワーク担当 原 貴洋 氏(ヤマハ株式会社)

WISS 2022 実行委員 ネットワーク担当

導入企業様

インタラクティブシステムとソフトウェア(ISS)研究会

社団法人日本ソフトウェア科学会(JSSST)が運営する研究会のひとつで、GUI、アルゴリズムアニメーション、視覚的プログラミング、マルチメディア用言語、人工現実、CSCW、人工知能、ロボティクスなど、人間と計算機との様々なインタラクションに関する研究者が集い、インタラクティブシステムの構成原理や構成法、ソフトウェア技術について議論することを目的とし、1993年より毎年冬にワークショップ(WISS)を開催している。

所在地
東京都文京区大塚5-3-13
小石川アーバン4F 学会支援機構内
Webサイト

(2023年3月24日掲載)


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