ネクストモードは、NTT東日本とクラスメソッドの合弁会社として2020年7月に設立しました。
クラスメソッドのエンジニア魂と、NTT東日本の堅実なオペレーションを組み合わせることで、クラウドであたらしい働き方を提案しています。また、ネクストモードはオフィスを持たないため、全社員、テレワークで働いています。クラウドを活用することで、新しい働き方を自ら行い、クラウドの実演販売をしています。
2000年にNTT東日本に入社した後は、アクセスサービス研究所でフレッツ光のネットワーク装置の研究開発を担当しました。会社で開発しているネットワークの情報は機密情報に溢れていましたが、その一方でヤマハネットワーク機器は、SNS(掲示板やメーリングリスト)で製品利用技術者の質問に対して、ヤマハの技術者が直接コミュニケーションしていて驚かされました。ヤマハのオープンなコミュニティーが性に合っていて、とても気持ちが良かったです。組織に所属するエンジニアとして、財産としてクローズドに守るべきものと、オープンにコミュニケーションしていくべきものがあり、これからの開発の在り方として重要なターニングポイントになる考え方をヤマハから学びました。
その後の開発では「Android」のコミュニティーに参加するなど、インターネットに端を発するIT技術・製品に共通するコミュニティー・カルチャーの魅力にどんどん引き込まれていきました。
そのような背景もあり、AWSのオープンなコミュニティーとの出会いは楽しさとともにネットワークの将来像を感じるキッカケとなりました。クラウドのサービス開発をする際には、従来のオンプレミスの開発とは違う手法を取り入れていきたいと考えるようになりました。
クラウドはインフラをソフトウェアで制御するという意味で、新しくて楽しい技術です。多くの人がOFFタイムでもたくさん楽しく勉強しています。技術者が楽しんでクラウドというインフラをソフトウェアとして構築していくなかで、ネットワークもソフトウェア的に構築する可能性を広げました。物理的なインフラをソフトウェアで自由にカスタマイズができる世界を実現することで、新しいサービスも迅速に作れるようになってきています。
また、エンドユーザーはクラウドやネットワーク(回線)を買いたいわけではなく、どんどんインフラは空気なようなものになってきていることを感じます。ビジネスを遂行するIT環境として、あたりまえに動くことを求めています。そういう意味では、今まで以上にクラウドが「どう使えるのか」を示していかないといけないと感じています。
黎明期は、クラウドの夢を語り、楽しめることが重要でした。啓蒙期に入ってからは、クラウドにあった業務スキームを作っていくことが重要になってきています。トップランナーであれば、リーダーシップやカルチャーを持ち続け、発信し続ける必要があると思います。これから普及期を迎えるにあたり、サービスが増え、マニュアルも増え、必要なシーンに最適なクラウドネットワークの構築が求められる時代に入る。今まで以上に、顧客ニーズを見極め、サービスや機器の選択と組み合わせのスキルが求められるようになります。
クラウド環境(仮想環境)のネットワーク作りは、オンプレミス※のネットワーク機器と同等のソフトウェアが提供されてくるので、オンプレミス環境で培ったネットワークスキルは継続して役に立ちます。
また、法人や企業向けにクラウドサービスを提供するには、働く人の環境で安定したアクセス環境を構築する必要があり、今まで培ってきたオンプレのネットワーク製品や技術が求められます。それに加えて、クラウドベースのソフトウェア技術を融合していくことで、遠隔からの管理や運用の自動化などが進んでいきます。
※オンプレミス:自社施設に機器を設置してシステムを導入・運用すること。
※クラウドコンピューティング(クラウド):ソフトウェアやハードウェアの利用権などをネットワーク越しにサービスとして利用・運用すること。
働き方改革も、会社に合わせてクラウドを活用していけば、徐々に変えていくのか、いっきに変えるのか、柔軟に選べます。最後は場所にとらわれない自由な働き方になっていきます。
クラウドにデータが集まり、サービスが連携して、AIが判断することで店舗の自動化や無人化、お客様への最適な提案が可能になったり、流通での無駄のない在庫管理なども可能になります。小売業などの自動化、無人化が実現することで、人材不足の課題も解決するでしょう。
アフターコロナの時代に向けて、大きな変化がはじまっています。我々と一緒に~クラウドであたらしい働き方~を目指していく仲間を増やしていきたいと思います。
(2020年10月30日 掲載)
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