いむれ内科クリニック

システムごとに必要とされていたネットワークを、VLANで分けることにより1つの回線とルーターに統合し、スペースやコストを削減

  • ◎4種類のシステムごとにネットワークとルーターが必要とされていたところを、RTX1200とSWX2200によってVLANで分け、1つの回線とルーターに統合
  • ◎RTX1200とNGN経由でレセプトのオンライン請求システムに接続
  • ◎ランニングコストの大幅削減

【導入の経緯】自前でネットワークを設計し構築

 いむれ内科クリニックは2011年2月2日に開院した新しい診療所だ。院長の山本氏が開業前に勤務していた豊橋市民病院ではIT化が進んでいた。「情報システムを担当する医療情報課の原瀬正敏氏と親しくしていため、機器の選定や設定に助力を得て、自前でネットワークを設計し構築しました」と山本氏は説明する。院内にLANを張りめぐらせ、場所ごとのポート数の割り振りも自ら慎重に考えて物理設計した。

 ルーターにはRTX1200を選択。2011年5月からは、スイッチとしてSWX2200-24Gを2台、SWX2200-8Gを1台導入している。ヤマハの機器を選択した理由は、主に医師1名が利用する規模なのでRTX1200が適していたことと、自宅でネットボランチシリーズを代々利用してきている経験からくる信頼と慣れだという。「多くのルーターは、家庭用のブロードバンドルーターと、ある程度規模のある企業向けのルーターに二分されていて、クリニックで使う規模の製品はあまりありません。RTX1200やネットボランチは私が自分で設定でき、設定できる機能や自由度は大きく、一方でGUIでの簡単な設定もできるのも魅力で、クリニックでも自宅でも使い込んでいます」。

 2011年6月からは、診療報酬明細書を処理するレセコン(レセプトコンピュータ)のオンライン請求システムへの接続も行っている。

いむれ内科クリニック 院長 山本景三氏

いむれ内科クリニック
院長 山本景三氏

【ポイント1】4つのVLANに分割して回線を統合

 最初の設計にあたっては、電子カルテシステムなど各システムのベンダーにヒアリングを繰り返した。ベンダーにすべて任せた場合には、通常、システムごとに専用の回線とルーターを割り当てる。すると、一般的なインターネット接続とあわせて4回線が必要になるため、コストも増え、物理的なスペースや管理も煩雑になる。それに対し、自前で外部接続回線を構築し院内をVLANで分割することで、システムごとのネットワークを分離しつつ、回線やルーターとその管理を1つに統合した。

 VLANは、分離すべき4つのシステムごとに設定されている。

  1. 院内情報システム
  2. 検査依頼報告システム、診療予約システム、院内情報案内サービス
  3. 電子カルテとレセコン。一体型のシステムを採用
  4. レントゲン画像を扱う医用画像システム

 当初はポートVLANで分割していたが、SWX2200を導入してからはタグVLANに変更した。「機能的にはポートVLANでもよいのですが、ポートVLANでは機器をつなぎ替えるときが大変になるため、タグVLANがありがたいですね」と山本氏は語る。「SWX2200はルーターのGUIからタグVLANを設定でき、しかも設定情報がグラフィカルに表示されるためネットワークへの機器の追加も簡単にできます。私のように専門家でなくてもVLANの管理ができるので、助かります」

SWX2200で構成されたネットワークをRTX1200のGUIから確認できる

SWX2200で構成されたネットワークを RTX1200のGUIから確認できる

ネットワーク概略図

図:ネットワーク構成図

【ポイント2】RTX1200とNGN経由でレセプトのオンライン請求システムに接続

 外部接続の回線はフレッツ光ネクストを利用している。開院当初はISDN(INSネット64)で電話回線(3番号)とデータ通信を利用していたが、2011年8月にひかり電話オフィスA(2チャネル3番号)に移行した。そこにつながる内線電話網も自前で設定した。

 外部からRTX1200に接続する回線としては、ひかり電話のデータコネクトを利用。自宅のNVR500からの接続や、リモートメンテナンスに利用している。なお、管内で初のデータコネクト利用者だったという。

 ひかり電話オフィスAのゲートウェイであるNetcommunity OG400Xiの下にRTX1200を置いてフレッツ光ネクストに接続している。レセプトのオンラインシステムにはIP-VPN接続またはIPsec+IKEでの接続が義務づけられているため、RTX1200からNGNによりIP-VPN接続している。

RTX1200やSWX2200などが収められたサーバールームのラック

RTX1200やSWX2200などが収められた サーバールームのラック

【ポイント3】検査機器をLANに接続し、SWX2200とRTX1200で管理

 クリニックでは血液検査を外注している。このように、検査する血液を回収し、結果の報告データを収めたフロッピーディスクを返すための集配網が、地元医師会により整備されている。レセコンのデータも、同じ集配網でやりとりされる。

 「しかし、それも集約してしまいたい。そこで、レセコンをレセプトネットワークに接続しましたし、検査結果の報告もWeb経由で取るようにしました」と山本氏は語る。検査結果を取得する回線も、通常であれば専用のものを用意しなくてはならない。そこを、前述のとおりVLANの1つとして検査機器用のネットワークを設定することで、ほかのネットワークと切り離しつつ、同じ1台のRTX1200でインターネットに接続している。

 現在、院内にはIPアドレスの付いたデバイスが35台あるという。PCやルーター、プリンタ、UPSのほか、たとえば肺活量の測定器のシリアル出力を変換器でLANに接続してデータを取ることもしている。

 山本氏のこだわりが、診察室に大きなPCを置いていないことだ。医用画像システムや、電子カルテとレセコンのシステムは、ベンダーがタワー型のPCを納入する。これを、サーバールームに置いておき、一種のシンクライアント技術であるPC-over-IPを使って、診察室の小さな端末で操作している。

 「こうしたさまざまなデバイスをLANに接続し、VLANで分けるのに、SWX2200をRTX1200から設定するGUIが便利です。各VLANの設定や、それぞれのデバイスの接続状況などを、画面上で確認できます」と、山本氏は実感を込めて語った。

左が医用画像システム、右が電子カルテとレセコンの画面。モニタの右に小さなPC-over-IPクライアントが置かれている

左が医用画像システム、右が電子カルテとレセコンの画面。
モニタの右に小さなPC-over-IPクライアントが置かれている


インターネット経由でデータを受け取る検査依頼報告システム。右上は、電子カルテと連動した採血ラベルのプリンタ

インターネット経由でデータを受け取る検査依頼報告システム。
右上は、電子カルテと連動した採血ラベルのプリンタ

導入会社様

【いむれ内科クリニック ロゴ画像】

いむれ内科クリニック

所在地 愛知県豊橋市飯村北5-2-15
開院 2011年2月2日
診療科目 内科・感染症内科・呼吸器内科・アレルギー科
医師数 1名
URL  http://www.imure-clinic.jp/

いむれ内科クリニック