(掲載日:2020年12月21日)
#Luaスクリプト #ルーター #IoT
前回のテクニカルノーツ「Luaスクリプト活用によるルーター拡張機能の実装1」では、Luaスクリプトの概要、いくつかのサンプルをご紹介させていただきました。今回は工場IoTにおいてヤマハルーター、Luaスクリプトを活用した事例をご紹介させていただきます。ヤマハルーターを工場IoTに活用すれば、安価に、セキュリティレベルの高いIoTを実現することができます。
Industrie4.0など工場IoTが大きな話題となり数年が経ちますが、皆さまの周りで実際に工場IoTを活用されている実例はどれくらいあるでしょうか。工場の稼働状況、不具合発生を遠隔から確認できるようにしたい、でも導入に関しては踏み切れていない、そのようなケースが多いのではないでしょうか。弊社でも、多くのお客様から工場IoTに関するご相談をお受けしますが、主に以下の2つが大きな課題として認識されているようです。
①設備投資
工場の設備を丸ごと最新のものに入れ替えれば、簡単に高度なIoTが実現できます。しかし大きな設備投資が必要になりますし、簡単にトライアルできるものではないので、投資判断が難しいという現状があります。
②セキュリティ
工場を「見える化」する場合には、工場ネットワークの一部をインターネットに接続する必要があります。これまでは接続されていなかった工場ネットワークをインターネットに接続することになるので、工場内PCのウィルス感染、工場機器の不具合、情報の漏洩など、多くの不安があります。
ヤマハルーターでは、これらの課題を解決した「工場見える化」が可能です。
工場内の機器は一般的にPLC(Programmable Logic Controller)という機器で制御、管理されています。PLCはベンダー毎に独自方式の通信プロトコルを採用しており、この通信プロトコルにより工場機器の動作状況を確認することができます。ヤマハルーターはLuaスクリプトで活用できる「ソケット通信ライブラリ」を使うことにより、PLCからこれらの情報を取得することができます。
取得した情報は、ルーターの「メール通知機能」によりメール通知したり、Luaスクリプトで活用できる「HTTPライブラリ」によりLINEのようなクラウドサービスを介して通知することができます。
ヤマハ管楽器工場では、この方式を排水処理設備の監視システムに導入しています。
ヤマハの管楽器工場では大規模なIoTシステムを導入しておりますが、遠く離れた設備、一部の古い設備はIoT化することができず、人力による監視が必要でした。
この設備では、以下の仕組みで「見える化」を実現しています。
既存設備にルーター(およびLuaスクリプト)を追加するだけでIoTが実現できるため、非常に安価に導入することができます。また、見える化に必要な通信以外は全てルーターがブロックするため、セキュリティに関しても問題ありません。
こちらのサンプルプログラムは下記の参考ページからダウンロード可能です。
工場IoTにご興味がございましたらお気軽にお問合せください。
参考ページ:OT機器との連携
https://network.yamaha.com/embedded/iot_m2m
ご相談・お問い合わせ