【解説】ヤマハスイッチ品番ルール

(掲載日:2022年02月17日)

#スイッチ

ヤマハが初のスイッチ製品であるSWX2200シリーズを発売したのは2011年2月であり、すでに11年も前になります。当初は、SWX2200-8GとSWX2200-24Gの2モデルのみでしたが、現在ではL3スイッチからシンプルL2スイッチまで26品番と大幅にラインナップが増え、多くのお客様のLAN構築に柔軟に対応できるようになりました。
さらに本日、マルチギガ対応スマートL2スイッチSWX2220-10NT・SWX2221P-10NT 2モデルの発売を発表しました。
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モデル数が多くなるにつれ、それぞれの品番はどういう規則で付けられているの?という質問をいただくことも多くなってきました。今回は、ヤマハのスイッチの品番のルール、命名規則について、簡単にご説明します。例として本日発表した、ダウンリンク2.5ギガビット、アップリンク10ギガビットに対応したスマートL2 PoEスイッチ「SWX2221P-10NT」を取り上げます。

[SWX]2221P-10NT

頭のアルファベット3文字'SWX'、これは、ヤマハのイーサネットスイッチに共通して付与しているいわばIDのようなもので「シリーズコード」と呼んでいます。ヤマハのVPNルーターはRTXであり、ヤマハの無線LANアクセスポイントはWLX、UTMはUTXと呼称しているものと同様、ヤマハのスイッチであることを表しています。

SWX[22]21P-10NT

シリーズコードに続く2桁の数字で、スイッチの種類を表しています。 ヤマハのスイッチは、次のようにL2スイッチを3カテゴリー、L3スイッチを2カテゴリーに分類しています。

L2スイッチ

  • 21(シンプルL2スイッチ):主にアクセススイッチとしての利用を想定したL2スイッチです。
    最新のSWX2110シリーズでは、L2スイッチの基本機能に加えて、小規模ネットワークで有効に働く「VLAN」、「QoS」、「マルチキャストスヌーピング」などを搭載しています。搭載している機能は、ヤマハルーターなどと連携することで設定できます。
  • 22(スマートL2スイッチ):主にアクセススイッチ、フロアスイッチとしての利用を想定したL2スイッチです。
    最新のSWX2210シリーズでは、シンプルL2スイッチの機能に加えて、小規模・中規模ネットワークで信頼性、安全性、保守性を実現する「LAG」、「ACL」、「SNMP」、「SYSLOG」などを搭載しています。なお、搭載している機能は、「TELNET」、「Web GUI」によりスイッチ単体で設定できます。
  • 23(インテリジェントL2スイッチ):主にフロアスイッチ、ディストリビューションスイッチとしての利用を想定したL2スイッチです。
    最新のSWX2310シリーズでは、スマートL2スイッチの機能に加えて、中規模・大規模ネットワークで信頼性、可用性、安全性を実現する「スタック」、「スパニングツリー」、「トリプル認証」、「RADIUSサーバー」などを搭載しています。また、ProAV市場での利用を実現するために「Danteで推奨される機能」や、一部のモデルでは、高精度な時刻同期を実現する「PTPv2 TC」を搭載しています。

L3スイッチ

  • 31(ライトL3スイッチ):主にディストリビューションスイッチ、コアスイッチとしての利用を想定したL3スイッチです。
    インテリジェントL2スイッチの機能に加えて、ヤマハルーターと相性がよい小規模ネットワークのコアスイッチとして有効に働く「RIP」、「ポリシーベースルーティング」、「DHCPサーバー」、「DNSリレー」などを搭載しています。
  • 32(スタンダードL3スイッチ):ライトL3スイッチ同様に、主にディストリビューションスイッチ、コアスイッチとしての利用を想定したL3スイッチです。
    ライトL3スイッチの機能に加えて、中規模・大規模ネットワークのコアスイッチに求められる機能性、信頼性、可用性を実現する「OSPF」、「スタック」などを搭載しています。また、ProAV市場での利用のために、一部のモデルでは高精度な時刻同期を実現する「PTPv2 TC」を搭載しています。さらに、ライトL3スイッチに比べより多くの経路情報を扱えるなど、基本性能で中規模・大規模に耐える仕様となっています。
SWX22[2]1P-10NT 

十の位の数字は、同一カテゴリーのスイッチにおける世代を表現しています。最初にリリースした製品は「0」とし、後継モデルは1ずつ増やすことを基本としています。例えば、ヤマハ初のスイッチはスマートスイッチ「SWX2200-8G」と「SWX2200-24G」でしたが、後継モデルは「SWX2210-8G」、「SWX2210-24G」というように、です。さらにこの例(SWX2221P-10NT)では、SWX2200、SWX2210に次ぐヤマハのスマートL2スイッチの3世代目であることを表現しています。

SWX222[1P]-10NT

最後のPがPoE給電対応を表していることは、ご想像できるかと思います。それとともに一の位の数字で、以下のように給電量を表しています。

0P:15.4W full, MAX 30W/Port (802.3at)
1P:30.0W full, MAX 30W/Port (802.3at) 例:SWX2221P-10NT
2P:15.4W full, MAX 90W/Port (802.3bt type4) 例:SWX2322P-16MT

つまり、今日発表のSWX2221P-10NTのPoE給電能力は、1ポート30Wを全ポート同時に供給できるということがわかります。一方、PoE非対応モデルは、一の位の数字は「0」となっています。

SWX2221P-[10]NT

’-’(ハイフン)に続く数字は、ポート数を表しています。RJ45ポートとSFP/SFP+ポートの合計ですが、コンボポートの場合は1ポートとみなしています。例に挙げた「SWX2221P-10NT」はRJ45が8ポート、RJ45とSFP+のコンボポートが2ポートの合計10ポート構成です。

SWX2221P-10[NT]

末尾の大文字のアルファベットは、LANの対応速度を表しています。

G:1 Gbit/s
N:2.5Gbit/s, 5Gbit/s
M:100 Mbit/s, 1 Gbit/s, 2.5 Gbit/s, 5 Gbit/s, 10 Gbit/s
T:10 Gbit/s

例に挙げた「SWX2221P-10NT」は2.5/5Gbit/s対応のRJ45ポートを有することを'N'、10Gbit/s対応のRJ45とSFP+ポートを有することを'T'で表現しています。

また、2021年6月に発売開始したSWX3220-16TMs。この型番の末尾には小文字の's'が付与されていますが、これは「SFPポートのほうが多い」というこの製品の特徴を示しています。

以上をまとめると、次のようになります。

スイッチ 品番ルール

ここでは、現在のヤマハスイッチの品番ルールについてご説明しました。もちろん、将来新しい規格が登場するなど、このルールでは表現できないことになれば、新しいルールを付加する形で拡張していきます。

次は、どのような品番のスイッチが登場するか・・・。皆様、是非お楽しみに!

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