顧客満足度No.1企業に訊く - 品質へのこだわりとエンジニア育成支援で社会や働き方の変革を支える

顧客満足度調査 2021-2022 ネットワーク機器部門第1位

6年連続7回目のNo.1獲得。今年も「ネットワーク機器」部門はヤマハが制した。品質の高さが評価され続けているのはもちろん、近年は、働き方の多様化などで変化するネットワーク要件に最適な解を提案していることも評価されている。例えば、運用管理では、クラウドを通じて離れた拠点のネットワークをリモートから統合管理できるサービスを提供。また、クラウドやIoTといったデジタル活用を支えるインフラとしてのネットワークの重要性を意識して、独自の認定制度を開始するなど、ネットワークエンジニアの育成にも注力している。

顧客重視の姿勢はヤマハのフィロソフィー

ヤマハは、経営の軸として、行動や考え方のベースとなる「ヤマハフィロソフィー」を据えている。「企業理念」「ヤマハクオリティー(品質指針)」「ヤマハウェイ(行動指針)」と並んで、このフィロソフィーを構成しているのが「顧客体験」だ。つまり顧客の視点に立ち、期待を超える製品とサービスを生み出すことは、ヤマハの根幹にある価値観なのである。顧客満足度は、それを定量的に評価したものと捉えており、同社は常に重視している。

楽器などの事業においては、演奏の愉しさや楽器の美しさなどが満足度につながっていく。では、ネットワーク機器の満足度は何が左右するのか。同社の瀬尾 達也氏は、顧客のビジネスを支える機器であることから、止まらないこと、そして、長く安心して使えることが重要だと考えているという。

「止まらず、安心して使える機器の条件をひも解いていくと、今回の調査の『性能・機能』『品質』『運用性』『コスト』『サポート』などの各項目に行き着く。どれが欠けてもお客様は、またヤマハの機器を使いたいとは思わないでしょう。ですから、開発、品質管理、サポート、マーケティングなど、各部門が自分たちの役割に関係する項目の評価を真摯に受け止め、製品やサービスの改善などに生かしています」と瀬尾氏は話す。

ヤマハ株式会社 音響事業本部 コミュニケーション事業部 マーケティング&セールス部長 瀬尾 達也氏

ヤマハ株式会社 音響事業本部 コミュニケーション事業部
マーケティング&セールス部長 瀬尾 達也氏

分散する仕事の「場」磨いてきた特長が生きる

企業ネットワークを取り巻く環境変化の1つに挙げられるのが働き方の多様化だ。コロナ禍の影響もあり、在宅勤務を推進したり、サテライトオフィスなどの小規模拠点を設置したりする企業が増えている。

「これによって、仕事の『場』の分散が進んでいます。これまでの企業ネットワークは、オフィスの大規模ネットワークでほとんどの人やシステム、データをカバーしていました。しかし、これからのネットワークは、中小規模のネットワークを複数つないで構成するケースが増えるのではないかと考えています」と瀬尾氏は言う。

ネットワークの構成が変われば、当然、機器に求められる要件や最適な管理方法は変わる。例えば、機能や性能面では、エッジデバイスからいかに迅速にデータを吸い上げて集約するか、複数の拠点をいかにリアルタイムにつなげるかが重要な要件になる。管理面では、IT管理者の常駐などが期待できない離れた複数の拠点ネットワークを効率的に管理しなければならない。

そこで、ヤマハはネットワークを効率よく運用管理できる製品や機能、サービスを統合的に提供している。同社製品にブラウザでアクセスするだけでネットワークの状態を遠隔から把握できたり、複数のLANを統合的に運用管理できるクラウドサービスなどだ。

YNO(Yamaha Network Organizer)はクラウド上の管理画面を通じて、各拠点のヤマハ製ネットワーク機器の監視・管理を行うことができるサービス。機器の死活監視、ファームウエアの更新、設定変更などが可能となっている。「新しい機器が接続されたら、自動的に設定情報を流し込むゼロコンフィグ機能や、目に見えない無線の電波状況を可視化する機能も備えており、複数の拠点を効率的に管理しなければならない管理者の業務をサポートします」(瀬尾氏)。

さらにワークスタイルの多様化を受けて、インターネットアクセスをローカルブレイクアウトする企業も増えているが、その際、課題となるサイバー攻撃の防御にはUTM(統合脅威管理)アプライアンスを提供。「セキュリティベンダーと協業して開発した製品で高い防御力を誇っています。小規模な拠点なら1台でルーターとUTMを兼ねる、ネットワーク性能を優先したい拠点ならルーターの配下に別途UTMを配置するなど、拠点の特性に応じて最適な設置方法を選べます」と瀬尾氏は紹介する。

ヤマハのネットワーク運用管理機能

独自の認定試験を開始してネットワークエンジニアの育成に貢献

ヤマハのネットワーク機器の使いこなし、トラブルや疑問のスムーズな解消、さらにはユーザーの貴重な意見をエスカレーションするために行っているのがエンジニア支援に関する取り組みだ。同社はネットワークエンジニアが集い情報交換を行う「ヤマハネットワークエンジニア会」というコミュニティサイトを提供したり、今年4月以降、ほぼ週に一回のペースで「ヤマハネットワークウェビナー」を開催したりしてエンジニアを支援してきた。ウェビナーでは、ビデオ会議環境の最適化をどう図るかなど、音響の専門家でもあるヤマハならではのテーマも取り上げている。

加えて、今年度からは、ネットワークエンジニアを目指す学生、ヤマハ製品を扱うパートナーの営業担当者やネットワークエンジニアを対象とする「ヤマハネットワーク技術者認定試験(Yamaha Certified Network Engineer)」という制度を開始した。

「参加者のスキルアップ、キャリアアップに役立つために立ち上げたヤマハ公式の認定制度です。試験対策を行うことでヤマハのネットワーク機器を扱う際の実務力が向上するだけでなく、広くIT知識も向上する内容としています。この認定制度とヤマハネットワークエンジニア会を通じてネットワークエンジニアの育成、スキルアップに貢献し、お客様のIT戦略を根底から支えていきたいと考えています」と瀬尾氏は強調する。現在、エンジニア会には1万人以上の会員が参加。また、認定制度も2021年6月の開始以降、順調に受験者数を伸ばしている。

このようにヤマハは、26年前のネットワーク機器事業の開始から、フィロソフィーとして掲げる顧客重視の姿勢を堅持し続け、高い顧客満足度を実現している。今後も変わらぬ信念で顧客のビジネス、さらにはデジタル社会の進展を支えてくれるはずだ。

日経BPの許可により「日経コンピュータ」2021年9月30日号掲載の記事体広告から抽出し再構成したものです。禁無断転載 ©日経BP

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