パートナー満足度No.1企業に訊く~運用負荷軽減、クラウド対応など利用者の生の声を製品に取り込む~

パートナー満足度調査 2019 ネットワーク機器部門第1位

日経コンピュータの「顧客満足度調査(ネットワーク機器)」ではここ数年、1位の座を保持しているヤマハが、パートナー満足度調査の同部門でも1位を獲得した。強さを支えているのが、開発者が現場を訪れて顧客の声を聞き、製品づくりにフィードバックする活動である。地道な取り組みを通じて、クラウドベースの統合管理サービスも開発。製品力はもちろん、パートナーの課題に正対した取り組みが高く支持された格好となった。

ネットワーク製品の領域ではパートナーも顧客と等しく重要

楽器やオーディオ機器などのB2C事業が主体のヤマハにあって、ネットワーク機器は異色ともいえるB2B事業だ。しかし、1995年に事業を立ち上げて以来、ヤマハにおける同分野のビジネスは大きく成長してきた。近年は、スイッチや無線LANアクセスポイントなどにも力を入れることで競争力をさらに強化。中小企業やSOHO向けルーターの国内市場で、同社の存在感は大きいものとなっている。
今回の調査結果は、そうした状況が改めて可視化されたものといえる。日経コンピュータの顧客満足度調査(ネットワーク機器)ではここ数年1位を維持してきた同社だが、パートナー満足度における高評価はとても大きな意味を持つと同社の池松 伸雄氏は言う。
「ある企業がネットワーク機器を導入する際、選定から運用までを含めてパートナーに任せるケースが多くあります。その意味で、ヤマハ製品の導入をサポートするパートナー様とユーザー様、両方が当社の重要なお客様。直接相対する機会がより多いパートナー様からご評価いただけたことは、大きな励みになります」
同社がネットワーク機器のビジネスにおいて、特に注力しているポイントは「現場の声を聞くこと」だ。開発者がパートナーやユーザーのもとに出向き、新しいニーズや課題に耳を傾ける。こうして足で集めた生の情報は、速やかに製品の開発や機能拡張などに反映するようにしている。
また同社は毎年数回、「パートナーサミット」と題したイベントを開催。最新製品や、開発ロードマップに関する情報を広くパートナーに公開している。さらに、ネットワークエンジニア向けのポータルサイトも用意し、コンテンツを随時拡充。リアル/Webの双方で、情報交流の場を設けている。
「いずれも地道な活動ですが、それらの場で得た声が、当社のネットワーク製品・サービスの根幹に生かされています」と池松氏は述べる。

ヤマハ株式会社 ヤマハ株式会社
音響事業本部 事業統括部 SN事業推進部長
池松 伸雄氏

パートナーの負担軽減と顧客満足度向上の両方を実現

特に、近年のパートナーが抱える課題として大きいのは、ネットワークの高度化・複雑化に伴う管理工数の増大だという。人材減少が進む中、ユーザー対応を充実させたくても、なかなか手が回らない。そこでヤマハは、そうした課題の解決につながるソリューションを開発した。それが、クラウドベースのネットワーク機器統合監視・管理ツール「Yamaha Network Organizer」(以下、YNO)である。
YNOでは、ヤマハ製のルーターやスイッチ、ファイアウオール、無線LANアクセスポイントなどを統合管理することができる。これを利用することで、多数のネットワーク機器の稼働状況をリモートから一元的に把握することが可能だ。
「例えば、あるユーザー企業からネットワークトラブルの連絡があった場合、まずYNOで問題の原因を特定し、その内容によっては電話やメールで解決策を提示することが可能になります」(池松氏)。これにより、エンジニアが現地を訪れたが、実は訪問不要なレベルの問題だったというケースを削減できる。パートナーの負担を低減するとともに、問題解決の迅速化によるユーザー満足度向上にもつなげることができるだろう。
こうしたメリットを評価し、パートナーの一社である大手通信キャリアは自社の統合管理サービスの基盤にYNOを採用した。これはヤマハのソリューションが、パートナーのビジネス拡大、およびサービス向上に一役買った例といえる。
「ネットワーク機器をクラウドベースで統合管理する手法は、海外では一般化していますが、日本ではまだこれからという状態です。今後は、他社製品も含めて管理できる機能をYNOに実装することで、パートナー様の提案の幅をさらに広げていければと考えています」と池松氏は付け加える。

Yamaha Network Organizer(YNO)

ヤマハのネットワーク製品の稼働情報をクラウド上で「見える化」する統合管理サービス。パートナー各社の顧客サポートを支えている

ヤマハのものづくりの精神で信頼性や可用性を徹底的に追求

また同社は、YNO以外のネットワーク製品のラインアップ拡充、および品質向上も継続的に行っている。
例えばスイッチ製品についてはここ数年で大幅に製品数を拡充。同社初となるL3スイッチを含めてラインアップを20に増やし、SDNをはじめとするニーズの多様化に応えている。無線LANアクセスポイントは3機種だが、これは現時点の顧客の声をカバーする上で最適との判断からだ。次々に新しい通信規格が登場するため、機種を増やすことよりも技術の新陳代謝に即応することを重視している。
「また、あらゆる業務にITが必須となった現在は、ネットワーク機器がダウンすることによる影響がかつてないほど大きくなっています。お客様ビジネスへの影響を最小限にとどめるため、製品の信頼性や可用性、安定性を徹底的に追求するのが当社のスタイルです」と池松氏は強調する。奇をてらわず、性能や品質の向上に真正面から取り組む。ここには、放送やコンサートの現場を支える音響機材の世界で培った、同社のものづくりの精神が反映されているといえるだろう。事実、今回の調査でも、「製品」の項目で高い評点を獲得している。
2018年に「イノベーションセンター」を開設し、研究開発体制を強化したヤマハだが、今後はこの拠点をベースに、より新しいニーズに応える製品も開発していく。具体的には、クラウドベースのネットワーク運用を可能にするソフトウエアルーターや、ヤマハ発動機との連携による工場向けの遠隔監視ソリューションなどが予定されているという。
パートナーの声を取り込んだ、質の高いネットワーク製品で顧客の期待に応えるヤマハ。同社のさらなる取り組みに注目だ。

日経BPの許可により「日経コンピュータ」2019年3月21日号掲載の記事体広告から抽出し再構成したものです。禁無断転載 ©日経BP

メール

ご相談・お問い合わせ