スタティックLAGで通信経路を冗長化して負荷分散する

管理番号:YMHSW-24431 
(最終更新日: 2023/12/18)

設定概要

ネットワーク機器の可用性を高める設定例です。
スタティックLAG(リンクアグリゲーション)を使用して、冗長化と帯域拡張を実現します。

LAGは、ネットワーク機器を接続する複数のポートを束ねて、1つの論理インターフェースとして扱うようにする機能です。束ねたうちの1つのポートで障害が発生し、通信不可になった場合でも、残りのポートで通信を継続できます。
また、複数のポートに通信を分散させることで、帯域拡張ができるメリットもあります。

構成図

本設定例では、以下の構成で説明します。

  • ルーター
    - ポート1, ポート2:コアスイッチと接続 (論理インターフェース#1)
  • コアスイッチ
    - ポート1, ポート2:ルーターと接続 (論理インターフェース#1)
    - ポート3, ポート4:フロアスイッチ(1)と接続 (論理インターフェース#2)
    - ポート5, ポート6:フロアスイッチ(2)と接続 (論理インターフェース#3)
  • フロアスイッチ(1)、フロアスイッチ(2)
    - ポート1.1, ポート1.2:コアスイッチと接続 (論理インターフェース#1)

※スイッチ、ルーターの設定が完了してから、機器間の接続を行ってください。
 設定前に機器の接続をすると、パケットのループが発生します。

対応機種

10ギガビット/マルチギガビットスイッチ ギガビットスイッチ
L3スイッチ SWX3220 SWX3200 SWX3100
インテリジェントL2スイッチ SWX2322P SWX2320 SWX2310P SWX2310
スマートL2スイッチ SWX2221P
SWX2220P
SWX2220 SWX2210P SWX2210

技術情報

10ギガビット/マルチギガビットスイッチ ギガビットスイッチ
リンクアグリゲーション SWX3220 SWX3200 SWX3100
SWX2322P SWX2320 SWX2310P SWX2310
SWX2221P
SWX2220P
SWX2220 SWX2210P SWX2210

スイッチの設定例

※ フロアスイッチ(1)、フロアスイッチ(2) の設定は共通です。

コマンド設定
コアスイッチ

設定内容

リンクアグリゲーションの設定 interface port1.1-2
  static-channel-group 1
  exit
interface port1.3-4
  static-channel-group 2
  exit
interface port1.5-6
  static-channel-group 3
  exit

interface sa1
  no shutdown
  exit
interface sa2
  no shutdown
  exit
interface sa3
  no shutdown
  exit

設定の確認

・「show static-channel-group」コマンド

[コンソール]
SWX3220#show static-channel-group
% Static Aggregator: sa1
% Load balancing: src-dst-mac
% Member:
   port1.1
   port1.2
% Static Aggregator: sa2
% Load balancing: src-dst-mac
% Member:
   port1.3
   port1.4
% Static Aggregator: sa3
% Load balancing: src-dst-mac
% Member:
   port1.5
   port1.6
SWX3220#
[解説]
スタティック論理インターフェースの状態を表示します。
論理インターフェース#1 には、メンバーとして、ポート1、ポート2 が所属しています。
論理インターフェース#2 には、メンバーとして、ポート3、ポート4 が所属しています。
論理インターフェース#3 には、メンバーとして、ポート5、ポート6 が所属しています。
コマンドの詳細は、スタティック論理インターフェースの状態表示をご覧ください。
フロアスイッチ(1) / フロアスイッチ(2)

設定内容

インターフェースの設定
# 注釈1
interface vlan1
  ip address 192.168.100.241/24
  exit
リンクアグリゲーションの設定 interface port1.1
  static-channel-group 1
  exit
interface port1.2
  static-channel-group 1
  exit

interface sa1
  no shutdown
  exit

[注釈の説明]

注釈1:
他のスイッチと、IPアドレスが重複しないように設定してください。

設定の確認

・「show static-channel-group」コマンド

[コンソール]
SWX2320#show static-channel-group
% Static Aggregator: sa1
% Load balancing: src-dst-mac
% Member:
   port1.1
   port1.2
SWX2320#
[解説]
スタティック論理インターフェースの状態を表示します。
論理インターフェース#1 には、メンバーとして、ポート1、ポート2 が所属しています。
コマンドの詳細は、スタティック論理インターフェースの状態表示をご覧ください。
Web GUI設定
コアスイッチ

リンクアグリゲーションの設定

1. スイッチのWeb GUIを開きます。

図 説明画像

2.「詳細設定」をクリックします。

図 説明画像

3.「リンクアグリゲーション」をクリックします。

図 説明画像

4. インターフェースの一覧の「新規」をクリックします。

図 説明画像

5. 論理インターフェースの設定をします。

論理インターフェース スタティック論理インターフェース
インターフェース番号 1
動作 インターフェースを有効にする
図 説明画像

6. 所属ポートの「選択」をクリックします。

図 説明画像

7. 物理インターフェースの選択をして、「確定」をクリックします。

ポート port1.1
port1.2
図 説明画像

8.「確認」をクリックします。

図 説明画像

9. 設定内容を確認して問題がなければ、「設定の確定」をクリックします。

図 説明画像

10. インターフェースの一覧の「新規」をクリックします。

図 説明画像

11. 論理インターフェースの設定をします。

論理インターフェース スタティック論理インターフェース
インターフェース番号 2
動作 インターフェースを有効にする
図 説明画像

12. 所属ポートの「選択」をクリックします。

図 説明画像

13. 物理インターフェースの選択をして、「確定」をクリックします。

ポート port1.3
port1.4
図 説明画像

14.「確認」をクリックします。

図 説明画像

15. 設定内容を確認して問題がなければ、「設定の確定」をクリックします。

図 説明画像

16. インターフェースの一覧の「新規」をクリックします。

図 説明画像

17. 論理インターフェースの設定をします。

論理インターフェース スタティック論理インターフェース
インターフェース番号 3
動作 インターフェースを有効にする
図 説明画像

18. 所属ポートの「選択」をクリックします。

図 説明画像

19. 物理インターフェースの選択をして、「確定」をクリックします。

ポート port1.5
port1.6
図 説明画像

20.「確認」をクリックします。

図 説明画像

21. 設定内容を確認して問題がなければ、「設定の確定」をクリックします。

図 説明画像

22. リンクアグリゲーションが設定されました。以上で、コアスイッチの設定は完了です。

図 説明画像
フロアスイッチ(1) / フロアスイッチ(2)

本設定例では、SWX2320 のWeb GUIを用いて設定手順をご紹介します。
ご利用の機種によって、項目やボタン名が異なる場合がありますが、設定内容に相違はございません。

リンクアグリゲーションの設定

1. スイッチのWeb GUIを開きます。

図 説明画像

2.「スイッチのIPアドレスを変更する」にしたがって、スイッチのIPアドレスを設定します。

IPアドレス 他のスイッチと重複しないIPアドレス

3.「詳細設定」をクリックします。

図 説明画像

4.「インターフェース設定」をクリックします。

図 説明画像

5.「リンクアグリゲーション」をクリックします。

図 説明画像

6. インターフェースの一覧の「新規」をクリックします。

図 説明画像

7. 論理インターフェースの設定をします。

論理インターフェース スタティック論理インターフェース
インターフェース番号 1
動作 インターフェースを有効にする
図 説明画像

8. 所属ポートの「選択」をクリックします。

図 説明画像

9. 物理インターフェースの選択をして、「確定」をクリックします。

ポート port1.1
port1.2
図 説明画像

10.「確認」をクリックします。

図 説明画像

11. 設定内容を確認して問題がなければ、「設定の確定」をクリックします。

図 説明画像

12. リンクアグリゲーションが設定されました。以上で、フロアスイッチの設定は完了です。

図 説明画像

※上記操作による設定(Config)を取り出すことができます。


※管理パスワードの変更方法は、管理パスワードの変更(スイッチ)をご覧ください。

ルーターの設定例

コマンド設定
LANインターフェースの設定 ip lan1 address 192.168.100.1/24
リンクアグリゲーションの設定 lan link-aggregation static 1 lan1:1 lan1:2
DHCPの設定 dhcp service server
dhcp server rfc2131 compliant except remain-silent
dhcp scope 1 192.168.100.2-192.168.100.191/24

※上記操作による設定(Config)を取り出すことができます。

※ネットワーク機器を安全にお使いいただくために、管理パスワードの変更(ルーター)を推奨します。


【ご注意】
本設定例は、設定の参考例を示したもので、動作を保証するものではございません。
ご利用いただく際には、十分に評価・検証を実施してください。

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