WAN回線障害時に備える(VRRPの 2つのグループで負荷を分散 + フレキシブルLAN/WANポートを使用) : コマンド設定

管理番号:YMHRT-27210 
(最終更新日: 2024/12/25)

本設定例では、VRRPとフレキシブルLAN/WANポートを使用しています。

VRRPの対応機種は、RTX5000RTX3510RTX3500RTX1300RTX1220RTX830NVR700WFWX120vRX(VMware ESXi版)です。

フレキシブルLAN/WANポートの対応機種は、RTX1300です。

図 構成図 図 構成図 図 構成図

VRRP機能を利用して、バックアップを行う構成です。

本設定例では、2つのVRRP グループを設定し、以下のように運用します。
 ・正常時   : 異なるVRRP ルーターをマスタールーターに設定し、通信の負荷を分散
 ・障害発生時 : すべての通信を、正常に稼働しているVRRP ルーターで継続

各VRRP グループの設定は、以下のとおりです。


VRRP 仮想ルーターの IPアドレス
VRRP ルーター
マスタールーター バックアップルーター
VRRP グループ(1) 192.168.100.201 RTX1300(1) RTX1300(2)
VRRP グループ(2) 192.168.100.202 RTX1300(2) RTX1300(1)

また、フレキシブルLAN/WANポートを使用して、以下のようなポート構成にします。
 ・LAN1 : ポート 1~8 、10
 ・LAN2 : ポート 9

なお、以下の条件をクリアすることで、高速・大容量ネットワークを実現できます。
 ・ポート 9 に、10ギガビットのインターネット回線を接続
 ・ポート 10 に、10ギガビット対応スイッチを接続

技術情報:
VRRP/VRRPv3
フレキシブルLAN/WANポート

光回線に接続するためには、別途ONUが必要です。

本機能の対応機種のうち、設定例を掲載している機種は、以下のとおりです。

機種 掲載内容 備考
RTX1300(1) ルーターの設定例
RTX1300(2)

RTX1300(1) / RTX1300(2) ルーターの設定例

設定手順

次の手順で、ルーターを設定してください。

  1.  先に、フレキシブルLAN/WANポートの設定をします。
  2. フレキシブルLAN/WANポートの設定 lan flexible-port lan1=1-8,10 lan2=9
  3. 指示に従って、設定を保存し、再起動します。
  4. インターネットの接続設定をします。
  5. ※ご利用の環境に合わせて、設定してください。

  6. LANインターフェース、VRRP などの設定をします。

RTX1300(1) の設定例

先に、設定手順 1~3 を実施してください。

LANインターフェースとVRRPの設定
(LAN1ポートを使用)
ip lan1 address 192.168.100.1/24
ip lan1 vrrp 1 192.168.100.201 priority=200
ip lan1 vrrp shutdown trigger 1 lan2
ip lan1 vrrp 2 192.168.100.202 priority=100
ip lan1 vrrp shutdown trigger 2 lan2
DHCPの設定 dhcp scope 1 192.168.100.11-192.168.100.100/24
dhcp scope 2 192.168.100.101-192.168.100.191/24
dhcp scope option 1 router=192.168.100.201 dns=192.168.100.201
dhcp scope option 2 router=192.168.100.202 dns=192.168.100.202

RTX1300(2) の設定例

先に、設定手順 1~3 を実施してください。

LANインターフェースとVRRPの設定
(LAN1ポートを使用)
ip lan1 address 192.168.100.2/24
ip lan1 vrrp 1 192.168.100.201 priority=100
ip lan1 vrrp shutdown trigger 1 lan2
ip lan1 vrrp 2 192.168.100.202 priority=200
ip lan1 vrrp shutdown trigger 2 lan2

状態の確認

・「show status vrrp」コマンドで、VRRP の状態を確認します。
 ※ 以下は、RTX1300(1) の実行結果です。

[コンソール] (1)
# show status vrrp
 LAN1 ID:1  仮想IPアドレス: 192.168.100.201
  現在のマスター: 192.168.100.1 優先度: 200
      自分の状態: Master / 優先度: 200  Preempt  認証: NONE  タイマ: 1
 LAN1 ID:2  仮想IPアドレス: 192.168.100.202
  現在のマスター: 192.168.100.2 優先度: 200
      自分の状態: Backup / 優先度: 100  Preempt  認証: NONE  タイマ: 1
#
[解説]
2つのVRRP グループの状態を表示します。ID:1 が VRRP グループ(1)、ID:2 が VRRP グループ(2) の状態です。
VRRP グループ(1) で「自分の状態:Master」となっています。したがって、VRRP グループ(1) は、RTX1300(1) がマスタールーターであることが確認できます。
また、VRRP グループ(2) は「自分の状態:Backup」ですので、VRRP グループ(2) の方は、RTX1300(1) がバックアップルーターになっています。

コマンドの詳細は、VRRP の情報の表示をご覧ください。

【ご注意】
本設定例は、設定の参考例を示したもので、動作を保証するものではございません。
ご利用いただく際には、十分に評価・検証を実施してください。

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