——NVR500の個別の機能について、注目ポイントを技術者の視点からご紹介ください。
牧田 今回、「ファイルの共有と同期」という機能を搭載しました。これはルーターにUSBハードディスクを接続してLAN上にあるPCからアクセスしたり、リモート環境上にあるルーター同士でのファイル共有を可能にします。実際の職場などで、複数の拠点でファイルを共有するのは案外面倒(※1)なのですが、それなら常にネットワークの境界にいて電源がオンになっているルーターに、その機能を持たせれば便利だという発想から生まれました。
梶 スループットが速いのも、大きなセールスポイントです。RT58iの最大スループットが200Mbit/sだったのが、NVR500では5倍の1Gbit/sになっています。実効スループットでは差はさらに大きくて、RT58iでは実効80Mbit/sがNVR500では800Mbit/sと、10倍のスピードアップになります。これには、新型CPUが大きく貢献しています。フレッツ光ネクストを例に見ても、去年くらいから200Mbit/sのハイスピードのサービスが出てきています。そういう環境下でも、安心して充分なパフォーマンスが期待できるだけのスペックを達成しているのです。
——モバイル機能については、ユーザーはどんなメリットを期待できますか。
平野ネットボランチシリーズで追及してきたコンセプトの1つに、「1機種で全国展開できる」というのがありますが、これが今回のモバイル機能対応でほとんど達成できました。今の携帯データ通信はかなりの地方・郊外でも使えるようになっています。今までは通信を確保できなかった地域でも、NVR500が1台あれば、お客様は店舗や拠点を展開できるようになるのです。
——細かなユーザビリティという点でも、工夫が盛り込まれていると聞いています。
ブロードバンドVoIPルーター
(ISDN回線対応) RTA55i (2002年)
平野非常に細かいことなのですが、電源スイッチの誤操作を防ぐ配慮がなされています。ルーターは狭い場所に置かれていることが多いので、パネル裏面に手を入れたときに、間違って電源を切ってしまうことがあるんです。これをどうにかできないかという声がユーザーコミュニティ(※2)で出たのを開発陣が目にして、電源スイッチに誤操作ガードを付けたんです。そういうユーザー志向の工夫にも、ぜひ注目いただきたいですね。
——今回品番をRTからNVRに変えたのにも、そうしたエポックメイキングな機種にしたいという想いがあったのでしょうか。
平野従来のネットボランチシリーズは、「RT5x」という品番体系でした。これをもう一段ステップアップしていく節目にあたって、どんな想いを込めていくべきかを皆で考えたのです。最終的に、「Net Volante Router」の頭文字をとって「NVR」としたんですが、同時に「新しい価値を提供するルーター=New Value Router」という意味も含んでいます。さらに番号もステップアップという気持ちを込めて、従来の50番台を1ケタ増やして(※3)「NVR500」としました。
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